安楽越京道
2011年9月10日(土)

何ヶ月か前、趣味人の山仲間てっちゃんから、バイクで安楽峠へ行ったけど、途中で「安楽越京道」という古道の案内があり、少し入ってみたけどバイクなので探せなかったという話を聞いた。
それで興味を持ちネットで調べてみたら、非常に情報が少ないなかで、「魅惑の安楽古道」という「安楽古道を歩こう会」のサイトを見つけた。
「仙の石」さんというペンネームの方が苦労の末調査作成されたサイトですが、非常に詳細で、これなら歩けると意を強くしました。ただ、調査されたのは2004年なので、それから7年、その当時も荒れた古道らしかったので、今どうなっているかは不明です。
安楽越図大
安楽峠はそもそも鈴鹿峠の脇道で、鈴鹿の関所を通らなくても良い安楽な道として名付けられたそうですが、安楽とはとんでもない険阻な道だったようです。
戦国時代には、明智光秀を討った羽柴秀吉が柴田勝家と連携する滝川一益を討つため京から伊勢の国へ攻め入りました。7万5千の兵を三つに分け、一軍は今の滋賀県多賀町から五僧峠越えで岐阜県上石津へ、二軍は滋賀県君が畑から治田峠を越えて三重県の大安町へ、そして秀吉自らは三軍を連れてこの安楽峠を越えて攻め入ったと言われています。その際秀吉が座ったとされる「太閤の腰掛岩」が二代目ながら石水渓に残っていると「仙の石」さんのサイトにも載っています。

さて、JR亀山駅前を朝9時に出発する亀山市のコミュニティバスでてっちゃんと二人は石水渓に向かいました。4月から9月は石水渓までバスが入りますが冬場は2キロ手前の池山までです。100円で乗せて頂いて感謝です。
9時半に到着、すぐに出発しました。前方には鬼ヶ牙の岩峰が聳えています。古道が見つからずに時間が余ったりしたら、これに登ろうかと思っています。その奥に臼杵山がありますが、これは以前安楽峠から縦走したことがあります。

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仙の石さんのサイトを印刷して行った 鬼ヶ牙 石水渓のバンガロー村

管理事務所を後にバンガローを過ぎ15分ほど歩いて9時48分に図のA地点に着きました。安楽越京道の案内があります。ハイキングコースと書かれていますが、とんでもない話です(笑)。

安楽越図小

案内に従い沢に降りると、早速沢を渡ります。コンクリートの電柱2本の橋ですが対岸で木が邪魔をしています。なんとか渡ると左手に太閤の腰掛岩があります。さてここから既に解りません。岩を背にして見上げると、右手に谷とも道とも思える窪みが登っています。でもこれは仙の石さんの「蛇行しているので比較的楽に登ることができる。」に合わないので却下。

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ハイキングコース  とんでもない 対岸に渡る 太閤の腰掛岩(二代目)

左手に道らしきものを発見して入るとすぐ明確な道になった。倒木を踏み越えて15分ほど登ると、旧道との合流点(B)に10時8分到着しました。ほっと一息で小休止です。

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すぐ明確な道になった 道は倒木がいっぱい 旧道との合流点

歩き始めてすぐK地点にさしかかりました、明確な道が尾根に続いていますが、「待てよ、そんなに尾根を辿らず、沢へ降るはずだ」と横を見ると降る道がありました。間違えそうな場所です。
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旧道は新道(太閤の腰掛岩から)より良い道です K地点、右の道へ入るのが普通 左京道、右山道の石標

降って行くと、サイトに紹介されていた石標がありました。そこから2分で川原へでます。川原にはガードレールの橋が渡されていて、渡って砂防ダムの縁を通って車道に出ました。でもこれは間違いで、もう少し(20m程)上流で沢を渡って車道に出る道があったらしいです。そうすれば車道を横断すればすぐ古道に入るので迷うこともありません。

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ガードレールの橋を渡る 京道の案内 車道の右を見ると三叉路

ガードレールを渡って車道に出てしまうと、「京道」の案内があって間違いに気づかないのですが、車道を横断すると「臼杵山登山口」の案内があり、京道は消えてしまいます。臼杵山登山道のどこかで京道が分かれるだろうと踏みこみでもしたら、茶の木に入るばかりです。

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これは京道と関係ない これが京道 少し上流の右手 倒れた木に道標

車道を左折して少し上流の右手を探してみてください。名古屋歩く会の壊れた木の案内が地表に倒れているのを見つけて、道を見つけました。D地点です。
道無き道を10分ほど歩くと開発小屋です。

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道なき道です 開発小屋 手前の石段で降りる

手前の石段で車道へ降りたら、少し引き返してください。沢へ降りる道が見つかります。勿論、よく見ればみちかなあと言う程度の道です。
沢を渡ってしばらく右岸を行きます。倒木はありますが踏み跡ははっきりした広い道です。25分近く歩いて沢を渡り、今度は左岸(車道側)を登ります。この付近で、ヒルの姿を確認して、防虫剤を靴に吹き付けて用心します。

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ここから沢に降りる 右岸の道 良い道になったりする

11時25分、車道にぶつかり、ガードレールを越えて車道に出ました。(F地点)

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沢を渡り 倒木を潜り 車道にぶつかる

車道の反対側の古道は消えているとサイトにあったので、左側の降り口を捜しながら車道を歩きました。でも見つからずしばらく歩きました。いやこれはおかしいと引き返してようやくG地点を見つけました。何も目印や案内が無いので、見つけるのは難しいですね。(11時42分)

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まだ半分の行程か 引き返してようやく見つけた古道入口 倒木で道は何度も塞がれている

5分も歩くと沢に出て、落差5mほどの滑滝に出ました。古道は滝の右を登っていますが、マイナスイオンたっぷりのこの場所で昼食にしました。 持ってきたビールが腸にしみわたりました(笑)。

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滑滝に出た ビールがしみわたる 出発すると変なキノコが

30分ほど休憩して12時17分に出発、峠を目指します。全体の3分の2位は来てるのかなあ。
いくつかの炭焼きの窯跡や滑、土砂崩れで塞がれた道を通って30分ほど登るが、道が判然としなくなり車道に出る。12時51分、H地点です。

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炭焼き窯跡 土砂崩れで道は塞がれている 一筋の滑

すぐまた左手に古道が始まるはずと注意して歩くが解らない。

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道が不明で車道に登る 安楽峠到着、13時12分、新峠らしい 南は鈴鹿峠への尾根道

結局I地点が解らず車道を安楽峠に向かいました。途中左下の谷底に捨てられた車の残骸や自転車を見て、あの辺に道があるはずと思いますがなんともなりません。13時12分には安楽峠に着いてしまいました。
ここから西へ降ると滋賀県の山女原を経て土山町です。峠から南へ登ると、四方草山や三子山を経て鈴鹿峠に続きます。北へ登ると臼杵ヶ岳です。

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臼杵ヶ岳への登り口 不法投棄の監視カメラ 谷へ降りると道があった

しばらく休憩した後、石水渓へ引き返すことにしました。でも古道が気になるので谷へ降りてみることにしました。古道がどこで峠に登ってきているのか解らないので(昔の峠は少し鈴鹿峠側に有って、車道の工事で今の新峠ができたようですね)適当に監視カメラの横から谷底へ滑り降りました。図のグリーンの道です。13時30分に出発。

安楽越085 安楽越090 安楽越093
朽ちた道標があり古道を確認 廃車が捨てられている 道を探してあるく

少し降ると朽ち果てた昔の道案内の道標が倒れていて古道と確信しました。10分一寸降ると行きに見えていた廃車の残骸がありました。更に8分、13時54分に車道のガードレールに登ってきました。図のI地点です。

安楽越095 安楽越101 安楽越103
カーブミラーの所がI地点 鬼ヶ牙登り口、ガイドブックでは40分だけど 石水渓ではまだ水遊び

車道に出て見ると、林区の区分の案内はありますが古道の目印は何もありません。これでは解らなかったのも無理なしと慰めて帰りました。
以後は車道を歩いて、14時30分に三つ渕近くの鬼ヶ牙登り口、バス停到着は14時50分でした。15時05分に帰りのバスがあります。
ズボンの裾をめくってみたら、なんと3箇所もヒルに食われていました(泣)。

安楽越105 安楽越108 安楽越109
新名神が見えるとバス停は近い ようやくありついた幸せの1杯 食欲も旺盛やな(笑)

でもまあ、今日はなんとか安楽古道をほぼ辿ることが出来て満足です。仙の石さんありがとうございました。
この満足を祝うため亀山で一寸一杯と思いましたが、昼間から開いている適当な居酒屋が無く、津へ行くことにしました(笑)。
津の駅前の目当ての店に入って、冷たいビールで乾杯しました。たまらないですねえ。