敦賀散策

柳ヶ瀬028柳ヶ瀬トンネルを抜け、少し降ってくると、右手に小さな神社がありました。気比神社と書かれています。

敦賀に有名な北陸鎮守の気比神宮があるので、その関係の神社かと思いました。

後日調べてみると、気比神宮の本宮という説もあり、関係ないという説もあってよく解かりません。

そこに付近の地図があり、再度今庄へ抜ける道が無いかと見てみましたがなさそうです。諦めました。

図の現在地から上へ、杉箸を越えていく道が北国街道へ抜けるようですが、山道で標高600mの峠を越える必要があります。

歩きなら問題ありませんが、自転車では無理です。
それはともかく、ここは刀根です。

柳ヶ瀬で見た倉坂峠越えの刀根へ来てしまったわけです。
つまりここが古代の若狭街道なのですね。

ここから敦賀への地図を持っていないので、敦賀まで何キロあるのかも解かりません。近くで野良仕事をしている方に聞いてみました。

幸いなことに地理に詳しいかたで、「敦賀まで13キロ、しかも降り坂ばかりだから、自転車を漕がなくても行けるよ。40分も見ておけば良いんじゃないかな。」と明快なお答え。

感謝、感謝でした。10時40分頃出発。


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刀根の気比神社 日本最古の小刀根トンネル これは大刀根トンネルかな?

少し走るとトンネルがありましたが、振り返ると廃道にもトンネルがありました。説明があるので近づくと、「日本人技術者のみによる鉄道の敷設で、京都--大津間に次ぐ2番目の工事であり、京都大津間はその後拡幅工事がなされたため、建設当時を残す日本最古のトンネル」という意味の説明があった。明治13〜14年にかけて建設されたらしい。

教えられたとおり、敦賀まではほとんど下り坂だったので、13キロを30分ほどで走り抜けて、11時10分頃には敦賀駅前に到着しました。
列車は皆湖西線経由なので、余呉へは近江塩津で乗り換えて一駅です。毎時23分の1時間に1本しかありません。

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敦賀駅前のモニュメント 敦賀西小学校の敦賀城の説明碑 州崎の高燈篭 海鮮問屋庄山清兵衛1802年

11時23分にも乗れるので、どうしょうかと思いましたが、折角なので敦賀の町を散策することにしました。
敦賀の町は越前でダイビングするとき何度も来ていますが、ほとんど通過で、街の散策はしたことがありません。
ともかく、お腹も空いてきたし、持参のお握りを港で海を見ながら食べることにしました。

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敦賀港へきた 海を見ながら食べるとなんでも美味い(笑) 来迎寺の表門

敦賀城は1585年ごろ、秀吉の家臣蜂屋頼隆が建てたが朝鮮戦争で死亡、その後大谷吉継が1589年に大幅に改修し、港を埋め立てて水城とした。
徳川時代に1国1城となり廃城となった。中門が近くの来迎寺の表門として残されている。

気比神宮は何度か参詣しているが、その前の「お砂持ち神事」には気が付かなかった。
時宗の遊行上人が神宮の参詣道がぬかるんでいるのを海岸の砂を自ら運んで修復された故事にちなむという。

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気比神宮の鳥居 お砂持ちの神事を示すモニュメント 難関突破の金崎宮入り口

近くの金ヶ崎城へ行くことにした。源平の頃、平通盛が木曾義仲の軍を迎え撃つため築城したのが始まりとか。
その後南北朝の頃、新田義貞が後醍醐天皇の命により、尊良親王・恒良親王を奉じて足利尊氏と戦って敗れている。

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芭蕉も奥の細道の旅で訪れている 後醍醐天皇の親王二人を祀る 敦賀湾を望む

戦国時代に入ると、織田信長が朝倉攻めの際、浅井長政の裏切りで挟み撃ちに会い、命からがら京都に逃げ帰ったのが金ヶ崎の戦いです。
そのとき秀吉が自ら殿を努め、この金ヶ崎城で朝倉軍を防いだ有名な話があります。

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尊良親王、自害の地とされる 金ヶ崎古戦場の碑 古戦場近く月見御殿から敦賀湾を見る

金ヶ崎城まで○○mの案内に釣られてきましたが、それは入り口までの話で、そこに自転車を置き、坂を登って展望台まで行って帰ってくると30分は必要でした。
でも懐かしい敦賀湾が見られて幸せでした。

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敦賀駅で自転車とお土産の焼き鯖 小刀根トンネルを思い出すね。 脂ののった焼き鯖は美味い

敦賀というと焼き鯖が土産です。鯖街道からいうと小浜が本場かもしれませんが、敦賀もなかなかです。
昔は駅前に魚市場みたいなのがあって、そこで買いましたが、今はなくなりました。でも矢部清の店が駅前にも残っていました。

昔は近海物の鯖がありましたが、今は殆どノルウエー産だそうです。でも脂ののった時期に1年分買い付けて冷凍するとかで、美味しいです。
今日は道を間違えて残念でもあり、敦賀散策で面白かったようでもあるなあ。