伊勢本街道 最終回 田丸〜伊勢(内宮)
12/27/03 天気晴れ時々曇り メンバー大阪のOさんと二人

今年の1月4日、大阪の玉造をスタートに歩き始めた伊勢本街道も今日が最終日です。今日のスタートは熊野街道と伊勢本街道の合流点「田丸」です。田丸から伊勢外宮までは昨年熊野街道を辿ったときに逆に歩いています。また、外宮から内宮までの古市街道も去年の暮れ参宮道を辿ったときに歩いています。でも時を経て歩くとまた新しい発見があると思います。

本街道9

本山神10時にJR田丸駅を出て少し北へ、合流点の道標をスタートとします。10時5分です。

ここから宮川の度会橋へ向かうわけですが、ほぼまっすぐ東に歩いて行きます。途中常夜灯が一基ありますが、特に見るものも無く上地町に入ります。通過すると田圃になりますが、その出口左手に山神さんや庚申塚の祠がありました。田圃の真ん中を歩いていると雪が降ってきました。Oさんの話では大阪からの途中、青山高原付近はすごい雪だったそうです。

前回、熊野街道を歩いた時の記録を見ても、この間はあまり見るものが無かったようです。

宮川に近づくと路は川に沿って少し北上します。伊勢から松阪へ向かう県道37号線の手前で右折し、宮川の土手に出ます。右手に尾崎顎堂記念館があります。土手に上がった辺りに柳の渡しがあったようです。土手を左折して度会橋の袂に着いたのが11時5分頃でしょうか。橋を渡り土手の下に降りて、少し川下を左折して行くのが街道らしいです。
本柳渡し 本筋向橋 本伊勢うどん
柳の渡し付近 筋向橋 川は無い 伊勢うどんはおつゆが黒い。

22号線の商店街に出て左折し外宮に向かいます。少し行くと「筋向橋」という欄干だけの橋があります。ここが昔、桑名からの参宮道と我々の歩いてきた伊勢本街道との合流点だったと案内があります。

雪の中、22号線を10分も歩く右手に外宮の裏口があります。大晦日の篝火の準備なんかしてあります。外宮を参拝して表口に出てくると12時5分でした。右折して5〜6分歩くと信号があり、向かい側に祖霊社という神社があります。信号を渡り、祖霊社の角の大きな常夜灯を右折して行くのが古市街道です。

我々は一寸勘違いして右折せず、まっすぐ歩いて右手の食堂に入り昼食にしました。伊勢うどんの卵入り450円を食べました(笑)。店の人に尋ねて間違いに気づきました。少し引き返して街道に入りました。13時前だったと思います。10分程歩いて近鉄の下をくぐると小田橋があり、街道の案内があります。

古市は「伊勢参り、大神宮にも一寸寄り」と歌われたそうですが、江戸の吉原、京都の島原にも匹敵する大きな遊郭があったそうです。妓楼80軒、遊妓1000人を数えたそうです。また伊勢芝居も有名で若手歌舞伎役者の登竜門だったとも言われています。「女殺し油屋地獄」など今も上演されている話もあります。

でも今は妓楼も芝居小屋も焼けてありません。復活の話も出ているようですが。ただ、当時の建物としては「麻吉」という創業200年の旅館が今も営業しておられて、年末なんか満員だそうです。その建物はユニークで川岸から街道へ急な坂道に沿って建てられ、下から見ると5階建てに見える必見の建物です。

本祖霊社 本小田橋 本古市
祖霊社の常夜灯 小田橋 古市の建物 寿司やだった

麻吉から少し行くと左手に街道資料館があります。越えると左奥に朝熊山が見えます。信号を渡り、街道を少し行くと、右手に櫻木地蔵の案内があります。200mほどなので寄って行きましょう。大岡越前守もお参りしたという出世の神様です。また少し行くと右手に大きな常夜灯が二基あります。両宮常夜灯と刻まれています。ここから牛谷坂という急な坂道を降ると左手に猿田彦神社があります。「みちひらきの神様」です。ここもお参りしましょう。

本麻吉 本櫻木地蔵 本両宮常夜灯
麻吉旅館の建物 櫻木地蔵 両宮常夜灯

神社を出ると大きな交差点ですが、斜め向かいが内宮への参道「おはらい町」です。赤福や「おかげ横丁」を過ぎると内宮の入り口「宇治橋」に着きました。14時頃です。外宮と違って参拝客が非常に多いです。玉砂利を踏んで本殿にお参りしました。伊勢本街道を無事歩けたことを感謝し、これからのウオーキングの無事も祈願しました。

本おはらい町 本内宮 本河崎
おはらい町 伊勢大神宮 内宮 正宮 河崎の町並み

本めいりん商店街さて打ち上げにどこかで一杯と思いましたが、その前に河崎の問屋街の町並みを見ようとタクシーに乗りました。昭和以前の建物が数多く残っている街です。宇治山田駅の北側すぐに勢多川に沿って1キロほどあります。

夕闇がせまり、お腹も空いてきたのでいよいよ打ち上げです(笑)。宇治山田駅前に「めいりん商店街」という細い露地のような商店街があり、中を散策してみると一軒だけ昼間から営業している小さな居酒屋がありました。そこに腰を落ち着けて、ゆっくり旅の疲れを癒しました。