奈良道
2010年8月13日
先日は伊賀街道を長野宿から津まで歩いたのですが、途中稲葉町の大龍神神社付近で大きな石の道標があり、「右 さんぐう道、左津道」と刻まれていました。
上野や大和方面から来た伊勢参りの旅人は、ここ稲葉から津を通らずショートカットして伊勢神宮へ向かったのでした。
一方、8年前2002年に参宮道を歩いたとき、松阪の近くJRの六軒駅の近くで「月本の追分」というのが有りました。街道一大きな道標というのが建っていて、「いがこえならみち」の案内がありました。
当時は「ふーん、こんなところに追分があるんだ」くらいの気持ちで通り過ぎました。
でも今回稲葉の道標を見ては、その間を歩かない訳にも行きません(笑)。お盆の暑いなかですが歩きに行きました。ネットで概略は調べて、2万5千の地形図で道筋の見当は付いていますが、資料が無いので細かいところは現地で決めます。
津新町を8時54分のバスで吹上到着が9時20分頃。前回の石の道標を確認して出発は9時25分です。というものの道がありません。草ぼうぼうの道を踏み分けて車道に出ました。
左右に分かれる道を左折して久居方向に向かいます。すぐ前方に常夜灯と道標が見えます。「茶屋の道標」で奈良道の説明があります。この街道中唯一の奈良道の説明です。
田圃の中の道を歩くと右手に青山高原の風車が見えます。風情ある北出の集落を過ぎると稲初橋があります。橋の袂の道標には左久居、右七栗とありますが、ここは一旦七栗方向へ橋を渡って、すぐ左折して久居方向に向かうのが旧道のようです。この辺で歩き始めて30分です。
長野川を渡った橋の袂に「庚申堂」があります。一寸お参りして街道に入ります。集落を抜けて、再度長野川を渡り田圃道になります。
信号のある車道を越えると前方に森町が見えてきます。入り口に照安寺があり一寸覗きます。森町の常夜灯を見て、集落の端には森町の山神さんがあります。
森町を過ぎ庄田町に入って県道660号線と合流します。JA栗葉を過ぎると庄田西で国道165号線を越えます。街道の風情残る道ですが、10時55分に羽野地区集会所で一寸休憩しました。
前回、伊賀街道では3時間飲まず休まずで歩きましたが、女房にそんなことしても自慢にならん、熱中症に注意してと言われたので、今日はスポーツドリンクを飲みながら、休憩しながら歩きます。気温は35度は無いでしょう。
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羽野東集会所の常夜灯と地蔵さん |
街道は一旦降ってまた登る |
情緒ある味噌傳さん |
羽野東集会所に常夜灯と地蔵さんがあります。坂を下って川を渡り、再度少し登るともう久居の旧市街です。情緒ある味噌やさんの前を通ると左手に蓮蔵寺があります。
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蓮蔵寺本堂 |
観音様だったかな |
本尊の如来さまの傍に閻魔大王 |
入って眺めていると住職さんらしい人が帰ってきて「お上がりください」と言われたが、先を急ぐのでとお断りした。でも「熊野曼荼羅」を見せてもらえば良かったかな。
高速道路の下を潜り、まっすぐ歩いて行く。この辺は本当は鍵状に曲がっているらしいが解らない。
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本町通りの新しい道標 |
本町通りの常夜灯 どうなるのか? |
頭の欠けた大きな道標 |
久居ふるさと文学館の壁に地図があり、奈良街道も載っていた。それによるともう少し北の、旧市庁舎の北側あたりを通って本町通りに出て南下、途中から近鉄桃園駅付近を通って南下し、途中で宝樹寺や物部神社の辺りを通って、住友電工辺りで消えていました。まあこれは帰宅後ゆっくり調べてからの話で、現実は本町通に案内がありました。それに従って本町通りを歩きました。
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ここらで左折だったか |
油正醸造とか江戸善商店とか |
本併神社 本殿前 |
灯篭や道標があり、本来左折すべき所を左折せず、油正醸造とか江戸善商店とか、興味深かそうな通りなので真っ直ぐ歩きました。
本併神社に着きました。12時8分ということで、境内で昼食にしました。由緒はよく解りませんが古い神社のようでした。12時20分出発です。
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本併神社 境内 |
本併神社 山神さん |
本併神社 石仏群 |
そのまままっすぐ南下すると町外れとなり、山ノ神と延命地蔵さんのお堂がありました。
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山ノ神と延命地蔵堂 |
雲出川の堤防に上がる |
堀坂山方面かな |
田圃になり視界が開け、前方に橋が見えました。雲出川を渡る須賀瀬大橋のようです。
街道は1本南の大正橋付近で川を渡っていたようなので、そちらに向かいます。
大橋の東で堤防に上がり大正橋に向かいます。街道は更に東の近鉄線路寄りですが、やがてこの堤防に合流します。
街道と合流した後、近鉄の鉄橋を潜りますが、その手前で車道を避けて右に川原へ降りてみました。1キロ弱川原を歩いて、道無き道を大正橋下流で堤防に登りました。
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道が無くて焦った |
ようやく市営球場付近で堤防に上がる |
道端の石仏 |
橋を渡ればもう月本の追分は近いはずです。道端の石仏や道標を見ながら、13時45分に工事中の中勢バイパスを潜りました。
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道標と石仏群 |
中勢バイパスを潜る |
真宗鷹田派のお寺 |
そこから1キロ一寸、15分ほど歩いて14時2分に旧伊勢街道との合流点「月本の追分」到着です。
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右いかこ江なら道と読める |
常夜灯 |
「月本おひわけ」かな |
参宮道に入ると、またいろいろ道標や常夜灯があります。吾妻鏡に出ているという勅使塚というのもありました。
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何の道標? |
勅使塚 死者を弔ったらしい |
堂々たる民家 |
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久しぶりに太一の常夜灯を見た |
昔の屋号を掲げる |
いろんな常夜灯 |
右折する案内が無いので通り過ぎてしまいましたが、常夜灯の三叉路を右折して300mでJR六軒駅です。14時30分の到着です。
丁度、14時39分発の電車に間に合いました。次は1時間後です。
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ここで右折だった |
六軒駅には何も無い |
六軒駅には何も無いので、津で途中下車、駅前の蕎麦茶屋さんに入りました。丁度タイムサービス中で生ビールは半額の250円。2杯は身体の隅々に沁み込んで行きました(笑)。厚揚げはその場で揚げてくれた優れものでした。
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生ビールは沁みる |
厚揚げはなかなかいける |