熊野古道 一の水峠越え

丹倉全図2009年4月29日

昨年8月に熊野市の大丹倉という断崖に行った。

その時近くに穴山関所跡という案内があり、この道が熊野本宮大社への主要な参詣道で、そのため関所が設けられたと書かれていた。

何、それなら熊野古道じゃないかと調べると、木本から井戸町瀬戸、一の水峠、育生町赤倉、丹倉、尾川をへて北山村のルートが浮かんできた。

その後どのルートで本宮へ向かったのかは解らない。

それでともかくこのルートを歩くことにしたが、道があるのか無いのか解らない。

赤倉にある赤倉水産という「あまご」の養殖施設のホームページに一の水峠が載っていて、メールでお尋ねして峠は通れることが解ったが、他の道はまだ不明です。

熊野市駅から尾川に向けて1日3本の市民バスが走っているので、それで尾川へ行き、引き返してくることにした。不安だらけのスタートです。

8時53分発の熊野市民バスで尾川に向かう。
県道34号線は瀬戸を過ぎて山道に入ると風情がある。この道を歩くだけでも面白そうです。それだけに狭く曲がりくねっている。

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七色ダム 北山川 尾川から表丹倉

七色ダムを過ぎると北山村に入り国道169号線を走る。前回北山街道を歩いた道を辿っていく。途中で北山川を渡り三重県に帰った。尾川到着は10時です。

さてここからどう行くのか解らない。お婆さんが居たので尋ねてみた。昔はたしかに丹倉へ登る道があったが今は通る人も無いので通れるかどうか解らない。ともかく道を教えてもらった。

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大森神社、古い春日造りだそうです この橋を渡る 多分これが古道だろうと

途中で今度は軽トラのおじさんに聞いてみた。昔は草刈をやったが、最近はやらないので茂っているだろうなと。最後に登り口近くのおばさんに、私も今ここに住んでいないので解らないと。

人家が無くなる辺りで登り口があるはずだが解らない。入り口を間違えるとなんとも為らないのでうろうろするが、訊く人も居ない。多分これだろうと踏み込むことにする。10時18分でした。

杉の枯れ枝に覆われて道がよくわからない。だが少し歩くと石畳風の道になり、昔の道だと確信する。
2万5千の地形図からみて登り口からは標高差300m、1時間位の登りかなと思う。

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杉の枝で覆われているが 鉄製の橋 一寸危険

途中、鉄製の橋が何本か沢に掛けられている。縞鋼板が貼られているが時間の経過とともに錆びて脆くなるのは世の常です。慎重に渡ります。
上から降ってくると間違えそうな箇所もあります。11時頃、道は水平になり、木の間隠れに見覚えのある大丹倉の岸壁が見えてきました。

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ここ間違えそう 大丹倉が見える 大丹倉入り口

11時15分、ほぼ予定通り1時間で大丹倉の入り口に到着しました。ここから5分で大丹倉へ行けますが、前回行っているし今回は前途が不明なので素通りすることに。

穴山の関所跡へは1.4キロの案内があります。ここからは舗装された林道?です。関所跡をすぎ11時50分に丹倉神社の鳥居がありました。石段が下へ続いています。ここは行っていないので、石段を降りてみました。

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穴山の関所跡 丹倉神社入り口 ご神体の岩

誰も居ないと思っていたら年配のご夫婦がみえました。朝日新聞をお持ちで、大きく御神体の岩が紹介されていました。奈良県の飛鳥の方で、熊野が気に入られたとか。

直接赤倉水産へ降りる道らしき道があったが、確信が持てず林道を歩く。12時15分、一の水林道の分岐に到着。これを行けば一の水トンネルに行けるが、昔の古道が地形図に載っているので、それを探しに赤倉へ降る。

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一の水林道入り口 赤倉水産 童集乃村

童集の村と称する「あまご屋」という料理屋さんと最近(4年前)開店されたカレー屋さん兼窯元があるので道を尋ねにいく。一の水トンネルの近くから峠への道があることは聞いているが、よくは知らないという。

やはり赤倉水産のご主人に訊けということで訊きにいくが不在。
地形図片手にそれらしい道に入りかけたが、杉の枯れ枝が完全に覆っていて踏み跡が全く辿れない。諦めて林道にまわることにした。
林道入り口に引き返したのが12時48分、30分の道草でした。

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これでは踏み跡が解らない。 林道から見下ろすが、古道は見えない 牛肉弁当はボリューム満点だった

30分ほど歩いた道端の岩に腰を下ろして昼食にした。熊野駅前のコンビニで買った弁当です。焼酎は持っているが前途が険しそうなので止める(笑)。

15分で切り上げて1時30分に出発しました。
すぐにカツラの巨木の案内がありましたが実物は見当たりませんでした。1時50分一の水トンネルに到着しました。

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林道もなかなか風情がある カツラの巨木は見あたらなかった 一の水トンネル

右横に道路慰霊碑が珍しいとかの案内があり「丸尾山登山口」の案内がある。
一の水峠とは書いてないが、まあこれだろうと登って行く。

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まあこれが古道だろう 石畳もある 周囲が伐採されて

山は木が伐採され無残な姿になっている。石畳風の道は確かで古道であることを覗わせる。少し登ると前述の道の慰霊碑があった。
そこから少しの間古道が消えていて、急勾配の道が付けられていた。この辺が赤倉水産さんが整備されたのだなと思う。

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慰霊碑と水飲地蔵 また古道現れる 峠は近い

トンネル入り口から急坂を20分で一の水峠に着いた。峠には髪梳地蔵がある。この地蔵さんには男女の哀れな逸話が残されている。

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一の水峠 峠の髪梳地蔵 私の降った道

峠は四辻になっていて、左は丸尾山への道だと思われる。右は杉の造林の道のように見えて、私は急勾配の降り道を直進した。でもこの道がどうも間違いだったようです。まったく踏まれた形跡が無い。

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右の道 左の丸尾山登山道

幸い途中で古道に出会った。登って来る人が間違えないようにテープで道を塞いでいた。この道は長尾山登山道のようでした。じゃあ、正しい道は右の造林道だったのか、未だに判らない。

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途中の道は踏まれていない 古道との出会い 林道との出合い

古道にはやはり石が敷かれていた。峠から20分、2時30分に林道に出た。入り口には小さく長尾山登山口と書かれていた。

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長尾山登山口 瀬戸への道では無いな この道が瀬戸だったか

地形図では林道を7〜800m進んだ辺りから直接瀬戸へ降りる道が書かれている。だがその入り口が判らない。木本高校同窓会の森という看板のある道がそうらしいと思ったが確信が無い。300mほど降る道なので間違えると怖い。あきらめて5〜6キロほど遠回りの林道を歩くことにした。帰りの列車には充分間に合うので。

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瀬戸はずっと遠い 県道との出合い 瀬戸の集落

50分林道を歩いて県道に出た。朝のバスが通った県道です。そこから15分で瀬戸のバス停です。バス停の一寸したに神社があり、神社の前の橋を渡って山に入っていく道が目的の道のようですが、途中はどんな道か判りません。

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瀬戸の神社 川向こうの道が古道か 石標が常夜灯の土台に

神社で一休みして3時45分に出発しました。
たんたんと県道を歩きます。途中、宇井橋からは熊野灘が見えるようでした。

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熊野灘が見える 帰りの車中は太巻きで一杯

4時46分に熊野市駅到着。5時48分の南紀8号には1時間あります。
近くの居酒屋で冷たい生ビールを一杯、たまりませんねえ。