2008年8月14日(木)
今日は作戦を考えていた。
民宿のある白川渡の標高が350m、大台ケ原ドライブウエーの分岐であるワサビ谷が700m弱、伯母峰峠が約1000mである。
全体に長丁場でバテそうな気がする。だけどループ橋の下と伯母峰峠からの降りの旧169号線は逃せない。
そこでワサビ谷から伯母峰峠の登りはバスを利用する。
そうすればバテル事無く国道まで歩けるだろう。
帰りのバスは15時台の1本しかない。国道のどこかで待っていれば良いわけです。
で、大台ケ原行きのバスの時刻を調べると、ワサビ谷を9時23分に通過する。
民宿からワサビ谷まで3時間強と見て、5時半朝食、6時出発で民宿の奥さんにお願いした。
民宿を5時55分に出発、白川渡では橋を渡らず手前を左折して柏木に向かった。
柏木は2万5千の地形図の名前にもなっているので、昔は栄えた集落だったのでしょう。
国道を離れて旧街道に入ると、昔の面影が残る街道でした。大峰山への登山口がありましたが、伯母谷覗を経て大普賢と山上ヶ岳の間へ出るようです。朝日屋という旅館がありましたが営業しているのでしょうか。
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白川渡から柏木へ 6時 |
北和田の集落 昨日の豆腐屋さんもある |
街道は国道と別れて柏木へ |
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柏木の町並み 6時35分 |
大峰山 登山口 |
柏木トンネル巻き道 |
柏木トンネルは巻き道で逃げました。通行止めの看板は無視したのですが、本当に土砂崩れで通れませんでした(笑)。なんとか土砂の上を通って、無事国道にでました。上空に岩峰がきれいでした。
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岩峰が輝く |
本当に通行止めだった(笑) |
史跡 不動窟とか |
国道に出るとすぐ不動窟という鍾乳洞があります。さすがに時間が早いので閉まっています。自転車の若者が一人朝食のうどんを食べていました。お互い同僚とみて笑顔で挨拶します。
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大迫ダムが見えてくる |
大迫ダム 7時10分 |
ダムから振り返る |
前方に大迫ダムの姿が見えてきます。手前のトンネルは巻き道も無く、潜らざるをえません。大迫ダム到着は7時10分。ここでダムの巨大な景色を眺めながら10分ほど休憩しました。ダムを渡って行くと入之波(しおのは)温泉に行けます。
ダムを出て貯水池を見ながら小さなトンネルを潜ると、遠くに伯母谷ループ橋が見えてきます。伯母谷トンネル手前の旧国道分岐点の伯母谷口到着は7時45分、予定より15分短縮しています。これならなんとかワサビ谷のバスに間に合いそうです。
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大迫ダム貯水池 |
遠くに伯母谷ループ橋が見えてくる |
伯母谷口到着 7時45分 |
旧道入口にも通行止めの看板があります。でもなんだか弱々しい(笑)。無視して入ることにします。
入口近くの建物を過ぎると、後は静寂につつまれた別世界です。圧倒的な緑の中、水場も所々あって、絶好のハイキングコースです。
30分ほど歩くとループ橋が大きく見えてきます。軽四が1台と自転車の旅人が一人追い越して行きました。後は何も通りませんでした。
ループ橋直下を過ぎると少し高度を上げて行きます。大嶽トンネル出口の国道に出たのは8時52分、1時間7分の緑のハイキングでした。
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ループ橋直下 |
国道付近から伯母峰? |
ワサビ谷が近づく 9時 |
そこから10分弱でワサビ谷のバス停です。途中にある山本茶屋のバス停は大台ケ原行きは停まりません。
そこでジュースを買い待っていると、5分も早くバスが来ました。危ないところです。
歩くと1時間半かと思われる伯母峰峠までの登りを、バスは15分で運んでくれました。
この登りもムードのある良い登りですが、今日はお盆で車も多い。
紅葉の頃が一番景色が良いのですが、その頃は一段と車が多く渋滞も出る道です。冬から春にかけてが良いかもしれません。
バス停から峠のトンネルへ引き返すと、ここも通行止めでした。
ここの通行止めは本当で、法面の改良工事をしています。
峠への道が壊されて急な梯子が架かっていました。梯子を上り、少し登ると伯母峰峠ですが特に案内もありませんでした。
伯母峰峠は分水嶺になりますね。
北側は吉野川そして紀ノ川となって紀伊水道にそそぎます。
南側は北山川そして熊野川となって熊野灘にそそいでいます。
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ワサビ谷 ここで大台は右折 |
伯母峰バス停はポケットパーク |
法面工事中 |
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この階段を登る |
峠付近から大峰の山々? |
伯母峰峠らしい |
9時50分に出発、重機の連なる工事現場を抜けると、ここもまた別世界でした。道には動物の糞が点々、鹿の他には何が居るのでしょう。国道まで5キロ一寸かなと思いますが、その間に鹿を4回見ました。はるか下の河原を2頭の鹿がゆっくり歩いている景色なんて一幅の絵のようでした。
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和佐又へ行けるようです |
何の糞? 結構大きい |
鹿がこちらを見てます |
杉や檜も少し有りますが、圧倒的な広葉樹の森です。多種多様な木々の中には美しい花を一杯に咲かせているものもあります。
「こんな自然を遊ばせておくのも勿体無いので、車通行止めの自然体験ハイキングコースにすると良いな」なんて思いながら歩いていました。今からえらいお金をかけてこんな道を作るなら反対ですが、すでに作られた道なので活用したほうが良いかと。
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蔦が絡まって |
伯母峰峠とドライブウエー |
道端の地蔵さん |
11時、国道が目の前に現れました。地形図を見て、この辺が水場に近いはずだから、昼食は国道手前のこの辺と決めていました。
案の定、素晴らしい水辺がありました。うれしくなって弁当を広げました。民宿のおばさんが、一寸ご飯多めに入れておいたからという弁当も、昨日と違って食欲旺盛でぺろりと平らげてしまった。
11時35分出発、3分で国道です。さて3時台のバスまでどうやって時間を過ごすか。
どこかに居酒屋でもあれば嬉しいのですが、そんなものがあるわけもありません(笑)。
地形図を見ると、ここから6キロほど下流の西原には集落がありそうです。そこまでの高田和、天ヶ瀬のバス停には人家は無さそうです。
そこで居酒屋目指して炎天下の国道を歩き始めました。高田和には予想通り何もありません。
天ヶ瀬、ここは行者還トンネルを潜って天川へ抜ける道です。橋を渡らず旧道を回り道してみました。行者還トンネル西口から大峰山脈の稜線に出る道は、奥駈のとき2回使いました。1時間で稜線に出られるのです。
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天ヶ瀬です |
行者還トンネルへの道 冬季閉鎖 |
きたやま三村の案内 |
1時丁度に西原の集落に入りました。どうも居酒屋はありそうもありません(笑)。居酒屋どころか酒屋も無いようです。自販機も無い。仕方なく、たしか白滝荘という民宿があったと思って川沿いの街道を歩きました。
たしかに有ったのですが、覗くと扇風機をかけて皆お昼寝のようでした。起こすのも悪いので、近くの国道沿いの素泊まり民宿さんへ行き「ビール売って貰えませんか」と訊ねると、自分ところは置いてないし、この地区に酒屋は無いという。北は伯母峰越えるまで無いし、南も5〜6キロ行かないと無いという。
なんという地域だとビールは諦める。こうなったら仕方が無いと、又持参の焼酎で過ごすことにした。冷たい梅ジュースを自販機で買い、北山川の河原で日陰を見つけて、のんびりすることにした。河原では地元の人か遊びにきた人か、家族連れが川で遊んでいる。
それを見ながら焼酎をペットボトル半分ほど飲み、ごろっと横になったら寝てしまった。
ふと目を覚ますと3時廻っていて、バスまで15分しかない。あわてて荷物をまとめてバスには充分間に合った。もう少し寝ていたら、1泊するところだった(汗)。
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吉野川は大勢の人 |
駅前食堂 |
ようやくありついた生ビール |
先ほど歩いた国道をバスは40分で民宿を通過。湯盛温泉で乗り換えて、上市駅到着は5時丁度です。すぐ帰るのは勿体無いので、駅前の食堂で一寸一杯。電車の中でも少し飲んで、家に帰り着いたのは9時でした。
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食堂の中は何故か山の写真が |
橿原神宮駅でうなぎ弁当、半額だった(笑) |
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