熊野脇道 錦ー紀伊長島
2007.2.3 天気晴れ メンバー単独。
2−3日前から今週末は天気が良さそうと言うことで、前から気になっていた熊野脇道の残りを調べ始めました。
昨年末に錦から姫越山を登ったのですが、脇道は錦から紀伊長島まで歩いて完結します。
この道は車では2回ほど通っていますが、やはり歩かないと駄目でしょう。
車だと7−8キロかと思いますが途中の海の景色もゆっくり見ていません。
暖かい太陽に照らされて海を見ながらお弁当を食べるのも楽しみです。
2万5千の地形図には車道に平行して点線があり名倉トンネルも上を越えて名倉の集落に入る道が示されています。
一方、みえ歴史街道のウオーキングマップでは全て迂回路すなわち車道を通ることになっています。
旧道を探しながら歩いてみることにしました。上の図で赤い細線が旧街道らしく、濃い緑が歩いた道です。
7時40分に家を出て、錦到着が9時40分、丁度2時間です。付近に居られた地元のお爺さんに旧道のことを尋ねたが、通ったことが無いという。諦めて9時50分に出発。帰りは13時15分紀伊長島駅発のバスに乗るつもりです。そのバスを逃すと16時20分まで3時間ありません。
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姫越山登山口から川沿いに北へ |
この休憩所でVターン |
登り始めると錦の街と姫越山が見える |
先日登った姫越山の登り口から川沿いに一旦北上するのが街道です。学校の裏を通り国道260号に出て少し北上し、橋の手前の休憩所でVターンして高岡の集落に入っていきます。集落を抜けてまた元の駐車場近く船付の交差点へ戻ってきたのが10時20分です。
この付近から旧道はあるはずですが、いろいろ開発されていて無くなっているようです。仕方なく国道で紀伊長島目指して登っていきます。
登るに連れて背後の錦港が見えてきます。更に登ると錦湾全体が見え、ハマチの養殖場の向うには熊野灘に浮かぶ島々が見えて絶景です。来て良かったなと思う瞬間です。
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錦港が見え |
錦湾と熊野灘の島々 |
海面がキラキラ輝いて |
下を見ながら旧街道の面影でも無いかと探しますが、急峻な地形で無理なようです。30分弱歩いて喫茶店の向う、名古第一トンネルの手前に船宿の案内があり海岸への道がありました。このまま国道を歩くのも芸が無いので海岸に下りてみました。残念ながら旧道はかけらもありません。道は無いのですが隣に水産会社の養魚場があったので潜り込んでみました。
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海岸まで降りてみたが |
水産会社の養魚場 |
電波塔に向かって登る |
広大な敷地に無数の池が作られ、黒い布で完全に覆われていました。魚を驚かせない仕掛けなのでしょう。養魚場の敷地を抜けて、大名倉トンネルの上を越える道を探しましたが無いようです。作業中の従業員の方に尋ねましたが、そんな道は無いとのことで仕方なく国道に戻りました。
11時頃です。
名古第二トンネルを越えると次は大名倉トンネルです。銘版は二色墜道と書かれています。錦は昔二色だったのですね。そういえば東長島は二郷と言ったようです。トンネルに入ると自動車の音が大きくなります。遠く離れた車の音がすぐ背後に迫っているように聞こえてぞっとします。
トンネルを抜けると紀北町です。すぐ右手にNTTの電波塔への作業道がありました。その時天啓の如くひらめいたのは、この道でトンネルの上まで登れば街道に出会えるかもと言うことでした。早速柵を越えて中に入りました。11時26分です。
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白雪を頂く大台ヶ原? |
紀伊長島港が見えてくる |
国道に戻ると前方に梯子が |
登り始めると西の山々が見えてきました。はるか遠くの高い峰には白い雪がかぶっています。方角から見て大台ヶ原でしょうか。更に登ると紀伊長島の街が見え長島港も見えてきました。絶景です。昔の旅人もこの絶景を楽しんだことでしょう。登って良かったなと思いました。
20分の登りで電波塔です。でも残念ながら街道は見つかりません。電波塔工事で無くなってしまったのでしょうか。11時50分近くになり景色の良い場所で昼食にしようかと思いましたが、のんびりしていると1時15分のバスに間に合わないかもしれない。このまま歩くことにしました。
元の国道に戻ってくると前方右手に梯子が見えました。そこでまた天啓です(笑)。この梯子を上り、尾根の反対側に降りれば旧道に出会えるはずだと。早速、梯子を上り林の中に踏み込みました。幸い人工林なので作業者が歩いた踏跡があります。適当に踏み跡を辿りながら降って行くと林道に出ました。きっとこれが街道だったのでしょう。
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適当に踏み跡を辿る |
林道に出た |
JRの鉄橋をくぐる |
すこし降ると右からの道が合流しJRの鉄橋をくぐります。古道に間違いありません。12時20分です。そこにマウンテンバイクのおじさんが居ました。聞くと熊野脇道を探しているという。今までの経緯を話し道は無いと伝える。もう少し話したかったがバスの時間も気になるのでお暇する。
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振り返ると電波塔が |
孫太郎トンネル出合 |
長島の街のお寺 |
小名倉川に沿って紀伊長島駅を目指す。振り向くと名倉峠の電波塔が光っています。10分で孫太郎トンネルが右手の交差点です。ここまで来れば駅までは30分でしょう。バスにも余裕で間に合うようです。名倉の集落は渡船と民宿が多いですね。長島の街にはいると商店の前に{熊野古道カード」という看板を掲げる店が多くありました。なんでしょうね。踏切を越えて一寸きれいになった紀伊長島駅到着は12時57分でした。
今日は一日国道歩きと諦めていましたが最後に少しだけ街道を歩けて満足でした。
駅のベンチで大急ぎでコンビニ弁当を掻き込みました。
1時15分発のミニバスはわずか20分で錦の舟付へ到着しました。
このまま帰ると通勤割引が効かないので、錦の町並みをぐるりと一週したり、旧紀勢町役場のみやげ物店に寄ったりして時間をつぶしました。
旧大台長の三瀬砦跡というのが以前から気になっていたのでこれも見に行きました。
勢和多気の手前を左折して松坂、嬉野、久居を越えて榊原温泉に向かって、グリーンロードで芸濃インターに着いたのは4時40分。長島インターは5時15分で、めでたく通勤割引でした。