2006年9月24日
今日は朝から霧雨が降っていました。でもこの地方では、朝霧雨なら今日1日は晴れなのだそうです。何故?
今日は「しらびそコース」通称池巡りコースです。昨日の最後出合小屋が出発点で、案内所集合は30分早く7時になりました。
やはりバスで向かいます。途中、イノシシの子どもが4〜5匹林道に出てきました。歓声が静まるとすぐ今度はカモシカが居たそうです。バスの運転手もこんなに動物を見るのは珍しいそうです。
今日のシラビソコースは我々の他にもう1グループで、我々のガイドはベテランのおじさん、もう一人は若い女性です。このコースは熊が出るので、カモシカコースに対して熊コースにしたらと言う案もあったが却下されたとベテランガイドが笑っていました。準備体操して8時に出発です。
昨日は気が付かなかったのですが、五色ヶ原は小屋付近以外禁煙だそうで、今日はそれに従います。今日のコースは昨日よりなお原生林の雰囲気があります。溶岩台地の上に苔むして、樹木は地面からでなく岩の上や倒木の上に生えています。地面では水分が多すぎるからだそうです。
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原生林 足下もふわふわ |
自然のオブジェ |
何故か岩の上に更新 |
地面も腐葉土からできているのか、絨毯の上を歩いているようなフワフワ感です。
雌池をちらっと見て日雇声滝(ひよごえたき)までシラビソの林を通って100mをゆっくり登ります。昨日と違ってアップダウンが少ないので楽なコースです。
昔はきこりのことを杣(そま)、切り出した材木を筏で川下りさせる人を川日雇(かわひよう)と呼んだそうです。その川日雇がこの滝で9人死んだそうで、家族が悲しんだ声が聞こえることから「日雇声滝」と言うそうです。
ここから観音岩を経てワサビ平へ至る道は、昔の乗鞍登山道だったそうで、その修験者が観音像を彫ったと言われる岩がありました。
林道に出て少し歩くと木道があります。ここがワサビ平で天気が良ければ乗鞍の稜線が見えるはずです。今日はちらっと一部がみえます。木道を500m歩くと岩魚見小屋です。今日はここで昼食、10時50分頃の到着です。
食後休憩をしていると女性ガイドさんがコーヒーを持ってきました。「私は若いのでベテランガイドさんみたいに人生経験に基づいた話が出来ないので、他の面で私の持っている全てを出して、楽しんで貰おうとやっています。」と言っていました。見習わないと。
40分余りの休憩の後林道を歩いて出発です。10分弱で今日の最高地点1630mのシラベ沢口です。乗鞍岳からここへ下るのは地元の最ベテランならできるが、ここから登る道は誰も解らないと言っていました。
我々はここからシラベ沢に沿って探勝路を1時間ほど下ります。単調な道ですが、途中から伏流水が表面に出てきたり、1昨年大きな熊に出会ったという大亀岩が有ったりします。付近はシラビソとオオシラビソの原生林です。
左の写真は以前NHKが来て、しきりとこの景色を撮影していたと、ガイドさんが教えてくれたので私も撮影しました(笑)。
シラビソ小屋も立派なものです。電気はどこかで水力発電だとか。エコトイレは150人分の能力で作ったが、2時間に集中するので能力不足、今は100人に制限しているとか。
シラビソ小屋を出発すると澄池ですが、現在水は有りません。季節により涸れたり溜まったりするようです。我々は池の中の平坦な道を快適に歩きました。
このあたりから次の濁池にかけて、熊の聖域だそうです。そんな聖域を歩けるなんて幸せです。きょろきょろ辺りを見回しながら歩きますが、出会いませんでした。
濁池も水は有りませんが、半端でなく蚊が居ます。虫除けスプレーは必携でしょう。それでも数箇所刺されました。出かけに案内所の娘さんが「蚊にも餌をやってきてください」と笑っていました。
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熊は樹皮を削り縄張りするそうです |
澄池の水は無い、蚊が居る |
雄池も水が少ない |
最後の雄池までの道は、南側が海底隆起地盤、北側は烏帽子だけの噴火溶岩台地です。
南側の岩は白く北側は黒い岩です。雄池は丁度中間にあります。少し水を貯えた雄池の南側を歩きます。ここは乗鞍岳を眺めるビュウポイントのはずですが今日は少しだけです。ガイドさんが天気が良いとこんなに見えると写真を見せてくれました。
雄池を後にダケカンバの林を下ってブナ林に入ります。シラベ沢はこの辺り伏流水になっていて、それが一気に噴出すのが横手滝です。
隣の桜根滝との間の細い垂直のような階段を降るときは誰もが緊張します。そして吊橋を渡り、布引滝の優雅な姿を見上げると誰もが感動することでしょう。旅の終わりにふさわしいクライマックスです。ゆっくり時間をかけて写真を撮りますが、どこまでこの感動を伝えることができるのでしょうか。
滝から一寸登ると昨日の最後の展望台です。カモシカコースを降ってきたグループが滝を眺めています。出合小屋には2時半の到着でした。
案内所までバスに乗り、ホテルに帰って又露天風呂でゆっくり疲れをいやします。ホテル出発は4時45分、高山へ飛騨牛を楽しみに出かけます(笑)。