知床半島と釧路湿原

2009年7月17日

知床542大阪のOさんと名古屋駅で落ち合ってセントレアへ。
今日から実施されるJALの当日シルバー割引は65歳以上が全国一律1万円で行ける制度だ。ただし当日空席があればの話。
我々は株主優待で釧路まで2万3千円の切符だが、1万円になれば往復2人で5万円浮くことになり、今後の各地で豪華食事ができる(笑)。
この切り替えはスムースにいった。猪苗代湖?を右に見て、一旦太平洋にでた飛行機は13時50分に「たんちょう釧路空港」に着陸した。

すぐ予約済みのレンタカーに乗り14時には出発した。
ナビを頼りに原野の中を一路摩周湖を目指して走ったが、道はまったく覚えていない。

摩周湖には4時前には着いたが霧で全く見えなかった。霧の摩周湖でした。

さて、今日の宿はJR知床斜里駅近くの斜里温泉湯元館です。
空港から140〜150キロ、順調に行って6時到着と思っていた。ところが北海道、しかも道東の道は信号も無く車も少ない。平均時速50キロで計算できるようです。5時には洒落た造りの知床斜里駅に着きました。

湯元館さんはライダーハウスも名乗っていて割安な旅館です。この日も登山客やライダーで賑わっていました。

話題は羅臼岳登山や、この日報道された大雪山系の大量遭難です。充分な装備を持っていたのか、ガイドは何をしていたのかというのが大方の意見でした。

夕食は毛蟹と刺身、ホッケがうまいですね。寝酒はじゃがいもの焼酎を飲みました。

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斜里駅の洒落た玄関 毛蟹と刺身の夕食

7月18日

今日はいよいよ憧れの知床半島に入ります。国立公園であり世界自然遺産でもあります。
夏なので流氷は勿論ありませんが、エゾシカ、キタキツネそしてヒグマにも遭えるかもしれません。
6時半朝食で7時過ぎには出発、コンビニのセブン銀行で現金を降ろしました。

ウトロ港の近くにオシンコシンの滝があります。この滝は見ごたえがあります。海岸からすぐ山が聳えるような知床半島の地形が各所にこんな滝をつくるようだ。

ウトロ港を10時に出航する知床観光船に予約している。港到着は8時半でまだ早い。知床五湖を見に行くことにした。途中自然センター辺りにくると2頭のエゾシカが草を食べていた。立派な角を持っています。これ以降知床を離れるまでの2日間、エゾシカには数十回も出会うことになる。

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オシンコシンの滝 エゾシカは人を怖がらない

エゾシカは増えすぎてその食害に困っている。自治体でもエゾシカの肉を食べようとキャンペーンを張っているが普及していないようだ。我々も食堂のメニューにはエゾシカのステーキやハンバーグ、カレーなど見たが結局食べなかった。

知床峠への道に分かれて知床五湖に向かうと、今度はキタキツネの子供が道路で遊んでいた。国立公園なので禁猟区、人間を恐れていないようだ。キタキツネにも6〜7回出会っている。知床半島は野生動物の宝庫みたいですね。

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道端のキタキツネyg 知床五湖展望台と知床連山 右端、羅臼岳

知床五湖に着いたが時間が無いので散策は止めて、往復15分の展望台へ行くことにした。立派な木道が湿原の上に付けられている。振り返れば羅臼岳から硫黄岳への知床連山がきれいだ。雲が晴れたり掛かったりという天気です。

いそいでウトロ港に帰り観光船の切符を買おうとすると3時間の知床岬航路は高波で欠航だという。1時間半の硫黄岳航路をさらに半分に短縮して運行するという。

知床半島は周回道路が無いので、船からの見学は欠かせない。非常に残念だがあまりにも短いので止めることにした。
港にあるオロンコ岩に登りました。170段の階段があり一寸しんどいですがオホーツク海から知床連山まで眺望は抜群です。またウミネコが多数居てウトロ港の景色も楽しめます。

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オロンコ岩からウミネコを見る 知床八景のプユニ岬からウトロ港

空いた時間でカムイワッカの滝へ行くことにしました。知床自然センターに車を駐車してシャトルバスに乗ります。シーズン中はマイカー規制が行われています。

自然センターから1時間に1本で、知床五湖経由で片道45分程度です。
これはこれで充分楽しくて、知床の原生林やオホーツクの眺めを楽しませてくれます。

エジシカは至る所に、キタキツネも時々居ます。圧巻はヒグマが居たことです。バスの窓から外を眺めていると子熊ですが1m程度のヒグマがお尻を振りながら茂みに隠れていきました。

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カムイワッカの滝 キタキツネの親子

これはめったに無いことだそうです。観光船で岬を巡るときや釣り舟で行くときに、海から陸地に居るヒグマを見ることは多いそうですが。
カムイワッカの滝は硫黄岳の麓に湧き出る70度の温泉が川に流れ込み滝になっています。周囲の散策が落石で禁止されているので、次のバスまで1時間は持たないと思って、乗って行ったバスが10分後に出るので、写真だけ撮って、そのバスで帰ってきました。

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1湖から知床連山 右端 羅臼岳 左端 硫黄岳

知床五湖で途中下車して、朝巡れなかった湖めぐりをすることにしました。
丁度12時で駐車場で弁当を食べました。散策途中で食事することは禁止されています。
というより、食料持込禁止と書いてあります。

1湖2湖巡りが40分程度、1〜5湖巡りが1時間半程度です。この日は熊出没中ということで、1〜2湖巡りのみ可能でした。
シーズン中は3〜5湖は止めているようですが、エゾシカを食べている熊を散策路の近くで見かけたからだそうです。

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ヒグマ出没中のTシャツやカレーやラーメンもあります(笑)

まあ1湖2湖だけでも知床の雰囲気は味わえます。満足して自然センターに戻りました。
ここにフレペの滝という散策路があります。往復で40分〜1時間でしょうか。行ってみました。近くにウトロ岬灯台もありウミネコのコロニーも有って絶景です。お勧めですね。

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フレペの滝とウトロ岬灯台 瀬石の滝?

さて今日の宿は知床峠を越えて羅臼町に入り、羅臼から知床岬方面へ23キロほど入った相泊という道路の終点の民宿くまやどです。
知床峠からの羅臼岳の眺め、北方領土の国後島の眺めを期待しています。またセセキ温泉という満潮時は海水をかぶる温泉や海岸に漁師さんが入る相泊温泉が楽しみです。

さて自然センターから知床峠は10キロほどですぐですが、峠直前から急にガスが流れてきて、峠では視界50mほどになってしまいました。期待の国後島は勿論、いままで見えていた羅臼岳も全くみえません。
前線に伴う雲と解かっているので諦めて降ることにしました。ちなみに標高は780mほどです。

峠から羅臼は17キロ、30分弱です。途中、見返り峠も雲の中、熊の湯を過ぎて海面近くまで降りてきてようやく視界が開けました。でも高台の国後展望台は雲の中です。

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セセキ温泉 寒い 相泊温泉

国後は諦めて相泊へ向かいました。
この道は、反対側の斜里側と違って集落がずっと続いています。昆布漁でしょうか点々と漁港もあります。
途中、オシンコシンの滝ほどではありませんが海岸に向かって流れ落ちる滝がありました。だけど名前も着いていません。本州にあれば観光名所ですね。セセキの滝との話もある。

瀬石海岸に温泉が見えました。幸い満潮でなく潮をかぶってはいません。
近くの小母さんに声をかけて入ろうと思いましたが、露天で脱衣所もありません。まあいいかと裸になって入りましたがぬるい。せいぜい30度〜35度です。潮風に吹かれると風邪を引くのでそうそうに上がりました。

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最果ての宿 くまやどさん 付近にキタキツネが居る オホーツク(じゃがいも)、ねむろっこ(昆布)の焼酎

知床676一応志で100円入れて、売店?で昆布を買いました。

そこから少し行くと今度は相泊温泉です。ここは7月から9月は囲いが出来て男女別になっています。

入ると先客(地元ではないが近隣の人)が2人いました。漁師さんもけっこう利用するらしいです。そしてここの湯は熱い。適当に水で薄めています。さっきのぬるま湯を取り戻して充分温まりました。

すぐ近くが相泊港で、その前が民宿くまやどさんです。くまやどさんは食堂と客室は2部屋です。この日は我々2人と、もう一部屋は道内の人6人でした。

民宿の隣に相泊川が流れて、その向こうは私有地で車道はここまでです。所有者のおじさんと話していると、歩行者ならまだ海岸えを1キロぐらい歩けるようです。山に登れば確実にフグマに遭えるよ、でも命の保証はしないよと笑っていました。

山に入るためには旧営林署の許可や食料保管箱、携帯トイレなど自然保護グッズが要るようでした。

夕食までの間、再度風呂に入り、一寸飲んだ昆布の焼酎が効いたのか、食後はバタンキューで寝てしまいました。

釧路湿原へ