蕎麦の話

1.蕎麦の由来

私は蕎麦が好きです。京都生まれの私はうどん文化で育ったように思いますが、それでも蕎麦は好きです。勿論、うどんも好きですが(^_^;。

蕎麦で気に入らないのは高くて気取ったところです。駅の立ち食いそばなんかは安いのですが、大量生産・大量販売という感じです。それに蕎麦道場なんてのがあってお師匠さんみたいなのが居て一寸気取っています。それら名店の蕎麦は概して高いです。

その点、うどんは何処も安いです。特に讃岐うどんの本場四国へ渡ると、あまりにも安くてびっくりします。手打ちうどんの本格的なものが一杯150円とかざらですね。対岸の岡山県も安いですね。関西のうどんも高いものはありません。うどん寿きなんか別ですけど。

さて本題に戻って蕎麦です。
物の本では1500年位前から食べられていたそうです。奈良時代の「続日本紀」には飢饉で蕎麦の栽培を命じたと書かれているそうです。

でも、その頃の蕎麦は現在のような細長く切ったものではありません。最初はそばの実をお粥のように柔らかく煮て食べていました。ついで、そばの実を粉にして、お湯に溶かして練ったもの「そばがき」を食べたようです。

現在のように細長く切ったもの「そば切り」が食べられるようになったのは江戸時代の中頃からだそうです。

2.夜鷹そば

八代将軍吉宗の頃「二八そば」という屋台のそば屋が現れます。二八の十六文が代金だったそうです。その頃夜鷹の値段も十六文だったそうで、いつしか「夜鷹そば」と呼ばれるようになり大流行しました。

そのうち、当時これも屋台で売っていた天麩羅と合体して天麩羅そばが生まれたのです。時代の前後は解りませんが、そば切りの当初は「盛りそば」をダイコンおろしのつゆに浸けて食べていたそうです。それが少し「醤油」加えて味付けするようになり、気の短い江戸っ子が、そのつゆを蕎麦にかけて食べるようになり「かけそば」が生まれたといいます。

そして現在は、「もりそば」や「ざるそば」は一寸濃いめのタレに浸けて、「かけそば」は薄目の熱い汁に浸して食べるようになったのでした。

3.蕎麦の栄養

福井蕎麦蕎麦はお米と違って殻だけ取って、胚芽や皮も一緒に粉にしています。従って「たんぱく質」と「ビタミンB」が豊富です。足りないのは「ビタミンC」です。なので「大根おろし」を一緒に食べましょう。事実、蕎麦の本場といわれる福井県に行ったときは「おろし蕎麦」が基本でした。(写真左)

ビタミンB1は脚気を防ぎ精神を安定させる効能があります。
ルチンというビタミンがあり、毛細血管の弾力性を守るので血圧を下げ、眼底出血を防ぎます。ルチンの働きを高めるには「そば湯」と一緒に食べるのが効果的だそうです。

植物繊維も多く便秘を防ぎ、大腸ガンを予防します。
コリンというビタミンBの一種は肝臓の働きを良くします。お酒の後は蕎麦で締めましょう(笑)。
コリンは更に自律神経の働きも良くします。

4.薬味

蕎麦の栄養や医学的効果を高める薬味は次のものだそうです。

ネギ・・・・・・・ビタミンB1の吸収を助けます。
ダイコン・・・・消化酵素とビタミンCです。
陳皮・・・・・・・何の事でしょうか?(^_^;
ゆず・・・・・・・ビタミンCです。
わさび・・・・・・殺菌力とビタミンB2の吸収を助けます。
しそ・・・・・・・・ビタミンCです。
海苔・・・・・・・ビタミンAと鉄分です。
ごま・・・・・・・・ビタミンやミネラルが豊富です。
しょうが・・・・・消化と血行をよくします。
七味唐辛子・今挙げた薬味の殆どが含まれ、唐辛子のビタミンAが豊富です。

これは、福井県今庄の「おばちゃんの店」という蕎麦屋さんで貰った小冊子の受け売りです。
ちなみにハート出版で辻啓介さんという医学博士の方が書かれています。

最近、越前へダイビングに行ったついでに福井に寄りました。蕎麦を食べようと思ったからです。今庄で前述の「おばちゃんの店」に寄りました。一寸ごつごつした太めの蕎麦で、いかにも田舎の蕎麦という感じで満足しました。

その日、もう一軒と越前一条谷の朝倉家遺跡で食べてみました。ここの蕎麦はつるつるした細目の蕎麦で、一寸都会風で物足りませんでした。名店でも無いのでこの地域の蕎麦を代表してはいないかもしれませんが。

もっと食べようと思ったのですが、その日民宿のごちそうが待っていたので止めました(笑)。

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