高野七口女人道 町石道はこちら
高野山は空海が開いた真言密教の根本道場ですが、現在は人口4千人、僧侶だけでも1千人が生活するという標高800mの一大宗教都市です。
その高野山は明治5年まで女人禁制だったので、登山道の最終付近に女人堂が建てられ女性はそこまでしか入れ無かったそうです。登山道は7つあり「高野七口」と呼ばれています。
その七口に建てられた女人堂を巡るのが「高野七口女人道」で高野山をぐるりと一周する14−5キロ7時間ほどの道です。
途中、高野三山と言われる「摩尼山1004m」「楊柳山1008m」「転軸山910m」や「弁天岳985m」等を登りますが総じて厳しい上り下りは無く、ハイキング並の手軽さで廻ることができます。
次に高野七口です。
1.大門口 和歌山方面からの道で、九度山から町石道もここに登って来ます。壮大な仁王門があり、高野山の西の入口でしょう。
2.不動坂口 京・大坂方面からの道で、唯一女人堂が今も残っています。ケーブルの高野駅から最初のバス停があります。
3.黒河(くろこ)口 大和口すなわち奈良方面からの道です。
4.龍神口 有田・龍神温泉方面から湯川を経由して大門に通じる道です。
5.相の浦口 同じく有田や龍神から相の浦を経由して高野山の中程に通じる道ですが、最も参詣者の少なかった道です。
6.大滝口 熊野口とも言われ、熊野街道「小辺路」はこの道を辿ります。
7.大峰口 東口とも言われ、大峰山の山上ヶ岳を結ぶ道です。
2005年3月19日 天気晴れ メンバー大阪のOさんと二人
12:40奥の院前−12:50登り口−1:00〜20昼食−1:40摩尼山−2:20〜30楊柳山−3:22〜32転軸山−4:10〜20黒河口−4:40女人堂
難波で10時に待ち合わせて南海電車・ケーブル・バスと乗り継いで高野山奥の院前のバス停に着いたのは12時40分でした。中の橋の駐車場を右に見ながら、そのまま車道を10分ほど進行方向に歩くとトンネルがあります。そのトンネルの手前左に「高野三山」登山道の案内があるので、そこから登り始めます。
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登り口 |
摩尼峠の側に役の行者 |
摩尼山山頂付近から楊柳山 |
2−3分で尾根に出て吉野方面が一寸開けます。水平な尾根道を歩きながら日当たりの良さそうな場所で昼食にしました。出発するとすぐ摩尼峠です。ここへ登って来る道もあるようです。峠を過ぎると一寸した登りが10分ほどで摩尼山の山頂です。山頂には如意輪観音の祠があり楊柳山らしい山がちらちら見えます。
25分程降ると黒河峠です。奥の院方面にも下れるようです。ここから15分程の一寸急な登りで最高峰の楊柳山です。ここにも楊柳観音の祠があり、大峰の山々らしい白い峰々が遠くに霞んでいました。
。この辺り高野槙の木を探しますがあまり無いようです。雪が残っているかと心配していたのですが、日陰に少しある程度で、道には残っていませんでした。ただ夜は冷えるみたいで、所々霜柱が寝ていました。
山頂から20分程降ると「久保の別れ」です。雪池山へ20分ともあります。左にとってゆるやかな川沿いの道を20分程歩くと一本杉があり車道に出ます。一寸右にとりすぐ左の山道を12−3分登ると転軸山です。転軸山は弥勒菩薩です。ここからも奥の院へ下れます。
女人道は右の森林公園のほうへ降ります。12−3分で公園の池にでて、舗装された道を左にとります。すぐ大きな交差点に出ますが、そのまま直進して坂を上ります。振り返ると転軸山が見えています。グランドの側を通って鶯谷の集落に入り、突き当たりを左折して車道沿いに登って行きます。車道と合流したところが「黒河口」で4時10分頃です。
一寸降ったユースホステルの一軒手前の狭い路地を右折するのが女人道ですが、案内が無いので通り過ぎてしまい、役場まで行って引き返しました。女人道に戻り路地に入ると高野槙が3本あり、すぐを左折して山道に入ります。20分の山歩きで女人堂の裏手にでてきます。ここが不動坂口で、ただ一つ残った女人堂と巨大なお竹地蔵さんがあります。
今日の行程はここまでで、これからバスに乗り、ケーブル・南海と乗り継いで、今夜の宿九度山へ降ります。宿は高野山の宿坊も考えましたが、一寸固苦しそうなので民宿にしました。
3月20日(日) 天気薄曇り
7時半に宿のご主人の車で町石道180番の町石が有る慈尊院を見学させてもらい、8時に九度山駅に着きました。難波からの電車からは30人ぐらいの登山者が降りました。世界遺産に登録されて町石道は人気みたいですね。私たちも今年の秋に同窓会を兼ねて歩くつもりです。今回はその下見も兼ねています。
9:12女人堂−9:32弁天岳−9:50〜55大門−10:27−35相の浦口−10:50大滝口−11:07円通律寺−11:42奥の院バス停
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九度山慈尊院の登り口と町石 |
弁天岳山頂 |
大門口付近 |
女人堂では既に蝋燭の火がともっていました。バス停の横には弁天岳まで1キロの案内があります。10分も登ると「谷上女人堂跡」の案内があり、さらに10分で弁財天の祀られた弁天岳山頂です。西側の木が伐採されていて和歌山方面の山々が見えます。
所々展望が開ける尾根道を15分ほど降ると大門口の案内がありました。直ぐしたが大門です。雄大な仁王門に圧倒されて、写真など撮って5分ほど休憩しました。町石道の案内もありました。
さて女人道は仁王門向かいの案内書の横を通っていきます。どこかに「龍神口」の案内があったかもしれませんが見落としました。大門から2〜3分で「お助け地蔵」があり、そこを左折して山道に入ります。入口の案内には「小辺路」の文字もあり懐かしく感じます。
3年前に小辺路を歩いたときは、金剛三昧院から大滝口へ出たのですが、大門から行く場合はこの道を辿るのかなと思いました。
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龍神口付近から見た大門 |
相の浦口の案内 |
ピークから小辺路を望む |
ここからは結構谷筋を降って舗装道路に出て、すぐまた山道に入りまた舗装道路に出ます。最後の登りに一汗かいたころ「相の浦口」の案内がありました。大門から30分強です。秋には相の浦の旅館に泊まるつもりなので、この道が相の浦まで歩けるか地元に尋ねたのですが、最近誰も通らないから多分廃道になっているだろうとのことでした。
相の浦口から5〜6分で946mのピークです。ピークからは高野山の山内も少し見え、小辺路の大滝道も良く見えます。10分ほど降ると大滝口女人堂跡です。
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大滝口女人堂跡 |
高野槙の山道、円通律寺への降り |
大峰口女人堂跡の説明 |
ここからは前回歩いた小辺路の道を少し歩きます。6〜7分水平な道を歩くと、左に降る女人道の案内があります。高野槙の多い道を10分も降ると円通律寺門前に出ます。立入禁止の看板があります。少し歩いて山道に入り円通律寺から10分程で弥勒峠でお地蔵さんが祀られています。一寸降って右に入ると「大峰口女人堂跡」の案内がありました。ここから25分程の降りで中の橋駐車場で奥の院バス停に出ました。逆にここから入る時は何も案内が無いので難しいでしょうね。駐車場の壁にでも案内が欲しいところです。
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奥の院の見事な杉の巨木 |
高野槙の湯温泉 |
女人堂を出てから丁度2時間半でした。食堂で丼を食べて、奥の院へお参りに行きました。参道には江戸時代の大名のお墓や有名企業の戦没者の墓があったりして興味深いですね。とりわけ参道の杉の大木群はとても素晴らしいですね。