熊野街道 紀伊路
海南駅〜紀伊宮原駅
2007年1月13日(土)天気晴れ
三重県の桑名を何時もの7時半に出て、近鉄−JRと乗り継いで和歌山着は11時過ぎです。そこでOさんが待っていました。
ところで今回は一寸前日にハプニングがありました。入れ歯が壊れてしまったのです(;゚−゚)。それで今日は朝食が食べられず、この先3日間が思いやられます。
とりあえず宿泊先の一二三旅館さんに電話して訳を話し、夕食を豆腐主体に切り替えてもらいました。噛めないけど流動食は問題ないので、お酒と湯豆腐でもあればなんとかなるでしょう(笑)。
海南駅ではとりあえず昼食です。うどん屋さんに入り「卵うどん」を噛まずに飲み込みました。12時15分出発です。
前回参詣した藤代王子社までは古道の案内に従い20分で到着です。再度お参りして出発、有馬皇子の墓はすぐです。この辺り民家の軒下にも熊野古道の提灯が吊るされ古道の雰囲気を盛り上げています。実際、和歌山県に入ると熊野古道を守ろうとする官民挙げての熱意が伝わってきます。
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藤白神社の中に王子社がある。 |
有馬皇子の墓 |
10分程で藤白坂の登り口に着きますが、そこで始めて丁石地蔵に気付きました。高野山の町石と違い小さな石の地蔵さんです。109m毎に18丁まであるわけです。
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藤代坂へ向かう |
登り口の丁石地蔵 4丁だったかな |
藤代坂登り口 |
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登るに連れて背後の海南市が見える |
7丁の丁石地蔵と石仏 |
途中の石仏 |
藤代坂は紀伊路の中でも有名で、五躰王子の一つ藤代王子社にお参りして藤代坂を登るコースは人気のコースではないかと思います。三重県からも以前三重交通がバスツアー開催していました。
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鹿や猪を防ぐ扉 |
丁石地蔵の一つ |
竹薮の道も多い |
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筆捨て松 1時12分〜20分 |
鳥の巣が落ちていた |
硯石 |
1時10分頃、14丁の筆捨て松に着き10分ほど休憩しました。筆捨ての由来は、著名な絵師が熊野権現の化身の童子と絵を競い、破れて筆を捨てたそうです。傍に硯石もあり見事でした。
10分ほどで峠に着き塔下王子に参拝します。ここは藤白神社のお旅所みたいでした。休憩所やトイレもあります。すぐ裏には熊野路第一の美景と言われる御所の芝があります。確かに美景なのでしょうが、現在は発電所や工場が立ち並び往時の面影はありません。1時40分に下りに入りました。
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峠付近の石仏 |
宝きょう印塔 |
地蔵峰寺 王子はこの左手にある |
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御所の芝からの眺望 |
塔下王子跡 1時30〜40分 |
降りに入る みかん畑 |
道標に従い急な細い道を下ること20分で橘本王子に着きます。橘本の集落はなかなか風情があります。王子跡は街道から少し入った阿弥陀寺の境内にあります。眺めているとお寺の奥さんが出てこられ、海南市が発行しているパンフレットを頂きました。
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橘本王子跡 みかんの木? 2時 |
橘本端の道標 |
所坂王子跡 2時20分 |
阿弥陀寺を出て街道を15分ほど歩くと右手に橘本神社があります。神社の石段を登ると鳥居の右手に所坂王子跡です。神社はまだ新年の松飾がしてありました。
所坂王子を出て市坪の集落に入っていきます。一坪川に沿って街道は続きます。沿道には花が飾られています。15分で山路神社があり、その境内に一壺王子がありました。山路神社には相撲の土俵なんかがありました。一寸休憩、時間は2時40分です。
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市坪川を行く街道 花が飾られて |
市壺王子跡 2時35〜40分 |
沓掛登り口 2時55分 |
ここからは拝ノ峠の登りになります。県道から分かれる沓掛の登り口まで15分、ここから坂は急になります。大分登ったなと思う頃、沓掛の松・弘法井戸・爪書き地蔵さんがあります。更に10分で拝ノ峠頂上です。さすがにこの登りは一汗掻きました。遠くに見えた海は地形から見て下津港でしょうか。
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振り返るとみかんと見下ろす街道 |
沓掛の松 |
ここから県道と別れる |
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高度を上げるにつれ後方の山並みが |
丁寧な道標 |
はるかに見えるは下津港? |
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峠は目前か |
拝ノ峠 3時25分 |
蕪坂塔下王子跡 3時35〜45分 |
ここからはやや平坦な道を10分で蕪坂塔下王子跡です。ここには立派なトイレと休憩所があります。3時35分から10分休憩しました。ここまで来れば後は降るだけです。今日の目的地、紀伊宮原駅までは距離にして4キロ、コースタイムで1時間10分です。列車の時刻表が気になります。5時半の予定でしたが4時54分に乗れそうです。旅館でのビールのコップがちらつきます(笑)。この時期5時を過ぎると日が暮れるので5時までには行程を終えたいものです。
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太刀の宮を通過 |
遠くは白馬山脈か? |
恐れ多いが爪書き地蔵さん 3時55分 |
太刀の宮、爪かき地蔵と過ぎ、みかん畑の急な坂道を下ること25分、山口王子跡につきました。一寸膝が笑っています。
ここからは平坦な舗装道路を宮原の駅に向かいます。途中、伏原の墓という行き倒れた旅人を埋葬した小さな墓石群がありました。
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爪書き地蔵からの降り |
こんな道標が多く立てられている |
宮原の街が見える |
街中に入ると熊野古道ふれあい広場という小公園がありました。そこの信号を左折していくのが熊野街道ですが、我々は直進して駅に向かいました。公園から宮原駅までは徒歩5〜6分で、4時40分の到着でした。
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山口王子跡 4時10分 |
伏原の墓 |
熊野古道 ふれあい広場 |
今日の宿は湯浅駅前の一二三旅館さんです。宮原にも旅館はあるのですが一寸高級旅館で我々には手が出ませんでした。宮原から湯浅まではJRで7分です。明日も同じ旅館に泊まります。明日は御坊まで行くので常識的には御坊で泊まれば良いのですが、これまでの経験から多少離れても同じ旅館2泊の方が楽なのでそうしています。
特に今回のように物が噛めないなんていうハンでのあるときは偶然とはいえ大正解でした。
湯浅の駅前は思ったより田舎で、一二三旅館さんはほんとに駅前でした。5時過ぎに駅に着き、ぶらっと辺りの散策をしてから旅館に入りました。
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宮原駅から拝ノ峠を振り返る |
一二三旅館さんはほんとに駅前 |
噛まなくてよい夕食(笑) |
夕食はリクエスト通り湯豆腐、冷奴、厚巻き卵、ウマヅラハギの煮物など噛まずに飲み込めるものばかりでした(笑)。勿論Oさんは通常の刺身や海の幸を食べていました。
湯上りに冷たいビールを飲み、熱燗を2−3本、部屋に帰って買い置きの寝酒を飲んで10時前には寝てしまいました。
紀伊宮原から道成寺へ