紀伊路 切目〜紀伊田辺
2007年4月28日 天気晴れ一時小雨 メンバーOさんと二人
いよいよ熊野街道歩きも最終段階にきました。
今日JR切目駅から紀伊田辺まで歩くと紀伊路が完成です。
そして明日、紀伊田辺から滝尻王子まで歩けば中辺路が完成し、同時に全ての熊野街道を歩いたことになります。
そしてその翌日、中辺路のバイパス、下三栖から覗橋を歩いて完全歩行のダメを押すつもりです(笑)。
近鉄・JRを乗り継いで和歌山県の御坊に着いたのが11時42分、Oさんが待っています。12時発の普通列車を待つ間におにぎりをほおばります。
切目駅到着は12時22分です。今日の行程は21.5キロ、標準歩行時間が5時間50分、所要時間は9時間10分とある。
大きなアップダウンも無いので、休憩を含めても標準歩行時間で到着できると考える。それでも田辺駅には6時20分になるので、もう1時間早く家を出れば良いのだが、早起きに弱いので仕方が無い。
トイレを済ませ、身支度整えて12時30分の出発です。
JRの低いガードをくぐると光明寺というお寺があり、道標に従い民家の間を登って行きます。若宮社遺跡を見ながら民家の間を少し登ると一旦広い道に出て、更に登ると駅から15分で切目中山王子です。立派な神社で、振り返ると海も見えてなかなかの景色です。足が悪くて行き倒れた山伏の逸話が残る「足の宮」が併設されています。
|
|
|
中山王子神社の前 宝きょう印塔 |
中山王子神社 |
中山王子 |
|
|
|
足の宮 |
切目側を振り返る |
古い民家の間を降る |
王子社を出ると長い降りになります。梅畑を右手に古い民家の間を抜けたりして歩いて行きます。ピンクに色つき始めた梅の実や道端に咲きほこる春の野草、周囲の山々は新緑に萌えています。30分の降りで左手一寸隠れて徳本上人の名号碑があります。
|
|
|
梅畑の中を行く |
南高梅かな |
徳本上人名号碑 |
|
|
|
ビニールハウス |
有馬皇子結び松の記念碑 |
岩代王子跡 |
ここからは右手に海を臨む高台の道を行きます。ビニールハウスの中には様々な花が有るようですが、この時期カスミソウの出荷が盛んなようです。
42号線に合流して少し歩くと、右手向うに有間皇子の記念碑があります。更に少し歩くと左に下りる階段があり、そこから国道の下をくぐって海岸方向に右折します。岩代王子は街道から右に踏み切りを渡り海岸に出た右手にあります。徳本上人の碑から丁度30分、1時45分到着でした。
王子社は正に海岸に有り、景色良し波の音良しで、のんびり10分ほど休憩しました。
|
|
|
岩代王子社 |
ここを右折すべきだったか |
古道の雰囲気あるが違う |
一寸雨がぱらつくなか街道に戻りました。岩代駅を過ぎてからの街道は難しいです。ガイド地図の記述をしっかり頭に入れて無かったので間違えました。42号線にでてしまい、街道が国道に接する地点まで100mほど国道歩きを強いられました。
|
|
|
42号線から分かれて海岸へ |
ガードを潜る |
千里浜 王子が見える |
その後は道標も完備して防波堤にもなっているJRのガードをくぐると千里浜の視界が開けます。左手少し先に千里王子が見え砂浜を歩きます。海が荒れている時はどうするのでしょうか?2時40分の到着です。
|
|
|
千里王子も海岸にある |
千里王子社 |
千里観音への参道 |
王子社にお参りして、隣の千里観音へ入ります。境内を抜けてJRの線路の手前の細い道を右折するのが街道です。10分弱で又線路に出会います。線路は2本ありますが、1本目のガードをくぐるとすぐ右折して、梅畑の中を南部峠の石仏に向かいます。3時に到着し5分休みました。
南部は「みなべ」と読みますが、その謂れは沖合いにある鹿島という小さな島の形が、三つの鍋を伏せたような形に似ていることから三鍋と言い、それが南部になったそうです。
石仏を出て10分でまたJRの線路をくぐり、少し歩いてこんどは国道42号線のガードをくぐります。その後はしばらく国道沿いの歩道を歩き、梅干館を過ぎて南部大橋を渡ります。橋の途中から三鍋の鹿島が見えます。大橋を渡って国道と分かれて左折、古川橋を渡ってすぐにVターン、こんどは北条屋橋を渡って左折、三鍋王子に向かいます。この辺り、道標も有ったようで特に迷った記憶もありません。一寸街道の風情のある道を大きなイチョウの樹のある丹川地蔵をすぎると立派な三鍋王子社です。
|
|
|
三鍋の謂れ 鹿島 |
イチョウのある丹川地蔵 |
三鍋王子神社に着く |
お参りして3時40分に出発、次の芳養(はや)王子に向かいます。7〜8分で南部駅を通過、更に10分で海岸に近い鹿島神社に着きました。ここもお参りして一寸一休みです。3時間半ほど歩いて一寸疲れ気味です。
4時に鹿島神社を出発、国道と並行する旧道を行きます。国民宿舎を過ぎた辺りで国道に出て海岸沿いを歩くのも街道らしいが、車の多い国道より生活道路が歩き易い。ところでこの辺り、疲れているはずなのにOさんの足が速い。着いて行くのが精一杯です。後で聞いたら、暗くなる前に田辺に着きたくて急いでいたらしい。
30分歩いて堺を越えると海を挟んで天神崎が見えてくる。時間があれば見に行きたい場所だが今日は諦めよう。国道には「ようこそ田辺市」の大きな弁慶像があります。そういえば田辺市は弁慶ゆかりの地とみえて、いたるところに名前が出てきます。
井原観音を過ぎて松井橋を渡るとようやく芳養王子のある芳養大神社です。4時50分の到着です。ここまで来れば、あと1時間で田辺駅です。神社にゆっくりお参りして10分間休みました。
5時に出発、芳養一里塚跡を過ぎ国道に合流すると牛の鼻です。付近の砂浜では今も潮垢離が行われているようです。国道と分かれて潮垢離浜の記念碑に着いたのが5時35分、そこから5分で出立(でたち)王子です。
|
|
|
42号線は花で飾られていた |
潮垢離浜の記念碑 |
出立王子 |
ここは一昨年大辺路を歩いた時、田辺駅から歩いてきて、中辺路と大辺路の分岐点の石碑なんかを見ています。ようやく繋がったわけです。今回は王子から上に登り、切戸橋を渡って今夜の飲み屋を探しながら6時過ぎに紀伊田辺駅に着きました。
|
|
|
出立王子社 |
切戸橋袂の石碑 |
会津川右岸の街道も夕闇が近い |
今夜の泊まりは駅から5分の美吉屋さんです。一昨年も泊まりました。でも今回は夕食を出さなくなっていました。近くのコンビニで缶ビールとおでんを買って部屋に入りました。取敢えず風呂に入り、その後、紀伊路完成の乾杯をしました。夕食を出さないのだから持ち込みも気兼ねせずにできます。これも中々いい物です(笑)。
しばらく部屋で持参の焼酎を飲んだ後、駅前の飲み屋街に出かけました。Aという居酒屋に入ると連休初日で他に客は無く、70歳というおばさんと話がはずみました。世界各地に旅行している元気一杯のおばさんでした。我々も見習わないと(~_~;)
翌日の中辺路へ