熊野古道 大雲取越え

雲取12007年3月17日

今回はやまびとの例会で雲取越えを歩きます。女性7名男性6名の計13名、私としては珍しく多勢の熊野古道歩きです。

前回歩いたのが世界遺産に登録される前の2001年11月なので5年半位前です。何か変化があるのか楽しみです。

8時32分桑名発の南紀1号に乗ります。紀伊勝浦到着が11時38分の予定で、11時50分のバスで熊野那智大社に向かうので、列車の中で昼食を済ませました。

列車が10分近く遅れたのでひやひやしましたが待っていてくれました。満員のバスに揺られて30分、那智大社に着きました。

雲取那智大社 雲取青岸渡寺
熊野那智大社 青岸渡寺

階段を登り、今回の目的の熊野三山の一つ熊野那智大社に参詣し、熊野古道の登り口に向かおうとすると、青岸渡寺のおばさんに呼び止められました。

雲取那智大社桐のご紋の説明の後、ここまできてこのお寺にお参りしないのはおかしいと言われて全員でお参りしました。

はるかに見える那智の滝の絶景をバックに写真を撮り、登り口に入ったのは午後1時ジャストです。前回は同じJRで来て12時半には登り始めたので、ここで既に30分の遅れです。

歩行時間を5時間半と見ているので到着は午後6時半、夕食には間に合うものの暗闇歩行は避けられないと覚悟しました。

階段を登り始めると茶店のおばさんに呼び止められました。「那智高原に行くんですか?」「小口まで行きます」「えっ、今から小口までいくんですか」と呆れられてしまいました。

妙法山への分岐を右に取り、20分ばかり登ると那智高原の入り口になり、「二の滝、三の滝」の案内があります。これを辿れば那智の滝の上に出られるのではないかと思います。

5分で休憩所です。ここで衣服を整えトイレもすませます。
更に40分登ると舟見茶屋跡の展望台です。ここからは那智勝浦や熊野灘が一望できる今日の一押し展望台です。

雲取山道1 雲取道標 雲取二の滝
いよいよ熊野古道です 前回は無かった石の道標 0.5キロ毎 二の滝、三の滝へ
雲取雪道 雲取舟見峠 雲取地蔵茶屋
雪が残っている 舟見峠から昔は舟を見張っていたとか 前方が地蔵茶屋跡休憩所

ところで、この辺り道端にはちらほらと雪が残っていました。1週間前に降った雪が残っていたようです。1週間の差で天気は快晴、天の恵みです。

雲取展望台
舟見峠を越え、亡者の出会いと呼ばれる道を20分降ると色川辻です。さらに降りと登りを繰り返しながら林道を2回横断します。時間はすでに3時30分です。

以前来た時は、ここから20分の林道歩きでしたが、今回は川向こうに新しく道が付けられていました。少しでも林道歩きが減るのは良いことですが、時間は10分ほど余分に掛かり、地蔵茶屋跡の立派な休憩所に着いたのは4時でした。

ここにはトイレと自動販売機がありました。大雲取地蔵さんにお参りして出発します。前回は4時過ぎには越前峠に着いていたので40分の遅れです。

でも前回より日没時間は30分遅いので少し気が楽です。

石倉峠への登りは急な石畳の道です。15分程で越えると又下りになります。もったいないなと思いながら降ると林道に合流し、右折して少しで林道から分かれる最後の登りになります。

石段を登り、これも急な石畳をひと頑張りすると、今日の最高地点越前峠です。標高は871m、地蔵茶屋跡から45分で4時50分でした。

以前はここから大雲取山へ道標があったのですが無くなっていました。道が荒れて無くなったかもしれません。

雲取地蔵さん 雲取石倉登り1 雲取石倉登り2
地蔵茶屋跡の大雲取地蔵さん 石倉峠への石畳 この石畳は古そう
雲取石倉峠 雲取越前登り 雲取越前峠
石倉峠の歌碑 越前峠への登り口 越前峠

ここからは標高差800m、約2時間の胴切坂と呼ばれる急な降りです。膝を痛めないよう慎重に下ります。前回に比べると、浮石は取り除かれ、所々丸太が入れられて、歩き易いように整備されています。それでも急な降りは嫌なものです。

雲取胴切坂 雲取胴切坂2 雲取円座石
胴切り坂の降り 石仏に見守られて 円座石

中根の旅籠跡休憩所が5時50分、ここには自然の湧き水があります。すでに長命を約束されているようなメンバーの皆さんが、こぞってこの長命水を飲んでいました。日本の平均寿命は更に伸びそうです(笑)。

ここで全員ヘッドランプを付け夕闇に備えます。20分ほど降ると円座石(わろうだいし)という3人の神様がここで談笑されたという大きな石があり、何か字が彫ってあります。前回もそうでしたが、この辺りでは暗闇となり彫り物は判然としません。

更にそこから15分の降りで小口側登り口に到着です。自然の家は左折して林道を3分で到着です。

小口自然の家は初めての宿泊です。前回は近くの民宿百福さんに泊まりました。その時はお婆さんが一人で切り盛りしていましたが、今は息子さん夫婦がやっておられるようです。熊野古道沿いの民宿も、林業の採算悪化で後継者が都会へ出て行き、民宿を廃業される方が多い中、百福さんのようなのは頼もしい限りです。

雲取小口夕食 雲取囲炉裏 雲取廊下
自然の家の夕食 囲炉裏の部屋も準備してもらった 廊下は一寸学校の面影

一方自然の家は廃校となった小学校を改装して地域のコミュニテーセンターとしての役割も果たす公共の宿です。1泊2食で7350円、内装も新しく浴槽も大きくて、今回のように多人数の古道歩きには最適の宿でした。

公共施設にも係わらず、支配人も賄いの小母さんも、実に気さくで融通も利かせてくれます。食事も美味しく、二次会用には囲炉裏の部屋まで準備していただきました。ありがとうございました。翌日に影響が出ない程度に楽しく飲んで喋って床につきました。


11/23−25/01 熊野古道 雲取越えを歩きました。

雲取越那智の滝同行は大阪の山仲間Oさんです。三日間好天に恵まれて最高でした。

雲取越えは熊野那智大社から大雲取山、小雲取山を越え、湯の峰温泉を経由して熊野本宮大社へ至る道で、熊野古道の中でも難関とされます。

その昔、紀伊路から中辺路を経て熊野本宮に参詣した旅人は、船で熊野川を下り新宮の熊野速玉大社に詣で、その足で那智にお参りし、元来た道を帰るか、この雲取越えで熊野本宮を目指し再び中辺路を辿って大阪へ帰ったといいます。

また、田辺から大辺路を辿ってきた旅人もこの雲取り越えを経て熊野本宮へ向かった事でしょう。

JR紀勢線南紀1号は11時35分に那智勝浦駅に着きます。

大阪からのO氏も同時刻にくろしおで着いています。11時50分発のバスに乗り那智大社に向かいます。

途中那智駅に立ち寄りますが、ここには補陀洛山寺があり「大門坂」の入り口です。

大門坂は前に歩いているし今日は時間もないので直接那智大社に向かいます。

大雲取越え(11/23/01)

大雲取越えは那智大社の横にある西国一番の札所青岸渡寺から熊野川町の小口まで16キロ7時間の行程です。

この時期午後5時には日が暮れるので12時半のスタートでは遅すぎますが列車の都合で仕方ありません。ライトを準備して暗闇覚悟の出発です。

12時20分に那智大社の駐車場にバスがつき、階段を登ります。神社の赤い社殿と那智の滝が素晴らしい眺めです。

道中の無事を祈りながら写真を撮り、青岸渡寺の鐘楼の横の階段を登り始めたのが12時30分です。標高は300mです。

那智の滝はご覧の滝の上後方にも滝があるらしく、そこを巡るコースもあるらしいのですが行ったことありません。

滝の社務所に行くと案内してくれるらしいのですが。

妙法寺の分岐を右にとり那智高原駐車場(520m)が1時5分、更に登って登立茶屋跡(630m)が1時30分で小休止。

あえぎながら舟見峠を目指して登る途中、舟見茶屋跡があり展望台ができていました。

雲取越青岸渡寺

雲取越鐘楼

雲取越階段

西国一番札所 青岸渡寺

鐘楼の横の石段を登る

この階段が雲取り越えのスタートです。


ここからの熊野灘の眺めは素晴らしく好天に感謝です。5分程で舟見峠(868m)、眺めは先ほどの展望台が優れています。2時15分です。

舟見峠からの下りは「亡者の出会い」と呼ぶそうでダルやガキと呼ばれる亡霊にとりつかれると飢え死にするという言い伝えがある。充分な備えをしないで雲取越えをするなという戒めでは無いかと思う。

雲取越妙法岳 雲取越舟見眺め 雲取越舟見峠
妙法山への分岐 展望台から熊野灘 展望台から妙法山

標高で100m程下ると林道に出会う、一寸歩くとすぐ林道から右に下る古道に入る。3時5分、一度林道を横切ったあと再び林道に合流する。ここから1.5キロは林道歩きになる。左手の沢にはときどき大きなヤマメが目に付く。3時25分地蔵茶屋につく。トイレもある。この林道は大雲取山に続いているらしい。

雲取越地蔵茶屋

雲取越石畳

雲取越石倉峠

地蔵茶屋

石倉峠への石畳

石倉峠


林道から離れて石畳の道を石倉峠に向かう。この辺りで那智勝浦町から熊野川町へ入るらしい。石倉峠への登りも苦しいが、日暮れも近寄ってくるので我慢して登る。峠には斉藤茂吉の歌碑がある。歌碑と言えば、この雲取越えには20以上も歌碑があったように思う。石倉峠を過ぎると再び下り、もったいないと思いながらも展望が開けてくる。大塔山系の山並みだという。林道に合流してしばらく歩くと、石垣のような橋があった。

ここからが越前峠への最後の登りになる。4時5分、ようやく今日の最高地点越前峠(870m)にたどり着いた。歩き始めて3時間半、うっそうとした杉林の中の峠は展望もなく、夕闇がせまっている。大雲取山へ(経験者向)と書かれた看板がかすかに見える。ここから小口(64m)までは標高差800mの下りだ。6キロ2時間の行程である。まだ、肉眼で足下はみえるが、まもなく灯りが必要になるだろう。

そういえば、地蔵茶屋あたりで追い抜いてきた軽装の二人連れはどうしただろう。懐中電灯は持っていないと言っていたが。

雲取越石段2

雲取越越前峠

雲取越胴切坂

ここから越前峠の登り

越前峠

胴切坂


雲取2他人のことより自分を心配して下りに入る。この下りが胴切坂という物騒な名前のつく悪路である。つまり壊れた石畳というか、浮き石の巣窟というか、ごろごろして歩きにくいことこのうえない。その上、暗闇が辺りを覆い始め、ますます歩きにくい。大山地区への分岐を過ぎ、少し行くと休憩所があり水もある。ここで5時10分。

雲取越円座石もう肉眼が限度となりライトを点ける。恐る恐る歩きながら円座石(わろうざいし)をすぎ民家の庭のような道を通って小口へ着いたのは5時55分だったわろうざ。

もう1時間早く出発できていれば明るいうちに着けたのだが。

民宿のおばさんには6時に着くと言ってあったので予定どおりだが。

降り口には小口自然の家の管理人さんが、先の二人を心配して迎えに来ていた。携帯も通じないという。順調にいけば30分遅れぐらいで来ると思うが、ライトを持っていないのでもっと遅れるかもしれないと伝える。

雲取越夕食結局この二人連れは暗闇で歩くのを諦め、携帯で連絡して迎えにきてもらったらしい。

我々は自然の家の近くの「民宿百福」に泊まった。

78歳のお婆さんが一人で経営していた。風呂に入って、ゆっくり飲んだビールと酒が美味かったのはいうまでもない。

明日はのんびりした行程なので朝寝坊もできる。

小雲取越えへ