雨の南奥駈(葛川辻〜貝吹金剛)
10/29−31/04 メンバー大阪のOさんと二人
前回(04年5月)南奥駈を前鬼から本宮まで歩いたとき、3日目はバテてしまって、貝吹金剛まで辿りつけず葛川辻から直接上葛川へ降ってしまいました。そのため葛川辻から貝吹金剛までの稜線が空白となっており心残りとなっていたので今回出かけました。
10月始めの予定が度重なる台風で伸び伸びとなり、今回(10月30日)も2−3日前までの週間予報では晴れだったのに急に大雨の予報に変わってしまいました。まあ、雨の南奥駈も乙なものと出かけることにしたわけです。
前日29日、近鉄大和上市駅で大阪のOさんをピックアップ、駅前食堂で丼を食べた後下北山村へ向かいました。
のんびり走って1時間20分ほど、午後8時過ぎには池原のスポーツ公園到着です。ここの「きなりの湯」は10時までやっています。500円です。タオルを忘れたので頼むと300円。これは高いなあと思いましたが、今晩ここで車中泊のつもりなので駐車料金と思って払いました。
施設は立派で露天風呂もあり、レストランは午後8時まで利用できます。お湯もけっこうぬるぬる感があります。売店の女性に大雨注意報が出ていますよと言われながら駐車場に車をまわしました。その夜は焼酎のお湯割を飲みながらシュラフに入って寝てしまいました。
翌朝は5時半頃起床、雨はあまり降っていません。リゾットとかいう洋風おじやを作り、ふかひれスープもあって豪華な朝食です。7時出発です。
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この駐車場で泊まった |
池原の集落 |
渓谷が素晴らしい |
ここから上葛川までは前回国道の425号線で白谷トンネルを越えて走ったのですが、この道が8月から普通です。いろいろ聞くうちに、下北山村の上桑原あたりから北山村の七色方面に新しくトンネルが開通している。それで169号に出て瀞のほうから上葛川に入るルートがベストということになりました。公園から1時間20分で上葛川の民宿うらしまさんに着きました。途中の渓谷美は素晴らしく、お猿が歩いていたりしてスリルのある道でもありました。
「うらしま」さんは今年3度目の訪問で女将さんとも顔なじみです。雨も降っているので昼食は行動食にしようとポットにお湯を貰って出発です。ポンチョを被り葛川辻へ出発です。朝8時40分です。
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葛川辻への登り |
紅葉がきれい |
丸木橋もいろいろ補修されていた |
前回バテバテで降って来た道ですが、20日程前に整備をしたそうで、腐っていた丸木橋は新しく架け替えられていて助かりました。紅葉にはまだ一寸早い感じですが、霧の合間に見える山々は幻想的です。
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葛川辻 |
鉄塔があった。天気なら眺望良いらしい |
厳しい登りに、巻道危険 |
1時間半ほどで電源開発の巡視路との出合。そこから5分ほどで地蔵岳参道と分岐します。笠が岳方面に1時間強、11時25分に葛川辻到着です。南奥駈は遠いです。前回来た時は薄暗い感じでしたが、伐木や枝打ちの性か今回は明るい感じです。ここで昼食、ポットのお湯でコーヒーをいれ、乾燥バナナとサブレーを食べました。
11時50分、地蔵岳に向けて出発です。石楠花がここにもあるなと思う頃から厳しい鎖場の連続になります。こりゃ前回パスしたのは正解だったな。疲れた身体に荷物もあって、あの状態でこの鎖場は無理だったよなぁと思う頃槍ヶ岳の石標があります。
左の写真が槍ヶ岳の石標(右下)で、この辺から鎖場の連続となる。
さらに鎖を頼りに登ると地蔵岳ですが、途中に「捲き道危険」の看板があります。事前の情報でも捲き道は危険でピークを辿ることにはしていました。
葛川辻から40分、1250mの山頂直下にはお地蔵さんが祀られています。だから地蔵岳参道なんだと納得します。
ここからの降りもまた鎖場の連続で閉口します。それに新しい道標に地蔵岳捲き道の案内が目立ちます。「おかしいなぁ、捲き道を避けて稜線を来ているはずなのに、間違えて危険といわれる捲き道に入っちゃったのかなあ」と心配になるほど鎖場の連続です。
それと風のある鎖場でポンチョはダメですね。ヒラヒラして足元が見えなくて危険です。
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鎖場の連続 |
頂上直下の地蔵岳本尊 |
地蔵岳参道との出会い |
一息ついた頃、先に上葛川からの途中で分かれた地蔵岳参道との合流点に出ます。四阿の宿跡、菊の池、拝み返しと宿跡が続きます。どんどん降って行くので心配になります。小さなアップダウンの連続は南奥駈の特長ですね。途中何回か425号線への道が右に分かれます。上葛川への道も左に分かれます。送電線の鉄塔で視界が開けるとすぐ香精山(1124m)です。山とつくのはなだらかで、岳とつくはは岩峰ですね。1時50分頃です。
ここからの降りも急坂です。貝吹野という道標で右に直角に降ります。これが道かと思うほどの急坂を少し降ると大きな岩の「貝吹野」に出ます。そこから更に急な階段を降ると、ようやく「貝吹金剛=塔の谷峠」です。誰が道を着けたのか、ジグザグにせず真っ直ぐにつけるので急坂になります。2時30分頃です。これでようやく南奥駈が本宮まで繋がりました。ポットのお湯で暖かい梅茶を飲み一休みです。
貝吹金剛からは塔の谷を降ります。前回登ってきた道なのでよかったのですが、峠からしばらくは枝打ちされた杉の小枝が地面を覆い、踏み跡が殆ど見えません。そのうち谷に入り見失ってしまいました。前回の経験から右岸の道を探しあてましたが、さもなければ苦労したかもしれません。1時間の降りで上葛川の集落です。
民宿に帰りずぶ濡れの雨具や衣服を干して風呂に入りました。湯上りは当然ビールです。女将さんも気を利かせて5時半には夕食を作ってくれました。楽しみにしていた野生の「しし鍋」です。まったけご飯もついていました(笑)。写真右上。
大峰奥駈満行?を祝って飲みすぎたとみえて途中で女将さんにお酒を止められてしまいました(笑)。
翌日は少し天気も回復し熊野本宮へお礼に参上しました。今月2度目のお参りです。大斎原へもお参りしました。写真左。
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大斎原(おおゆのはら)の大鳥居 |
祝詞をあげている方も居た |
一遍上人の碑 |
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熊野本宮大社 |
楊枝の薬師堂 |
丸山千枚田 |
帰りは「楊子の薬師」と「丸山千枚田」によって熊野へ出て帰りました。
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