kumanozenzu-2.jpg熊野古道

熊野詣でというのはいつ頃からはじまったのでしょうか。奈良時代の終わりにはすでに山林修行の地として知られていたらしいが、やはり多くなったのは平安時代です。

新宮にある熊野速玉神社の案内では、後白河上皇が34回、後鳥羽上皇が28回、鳥羽上皇が21回熊野参詣をされているとか。片道2週間以上掛かった、当時は政府の威光もも届かない治安の悪い街道を、何故こんなに通ったのでしょうか。現世利益の教えが参詣者を募ったのでしょうか。文献によると、街道の無事通過の代替に年貢を免除したともいいます。

ところで熊野古道とはどこでしょうか。

左の地図にあるように各地から熊野本宮にお参りする路を熊野街道と呼びました。
伊勢路、紀伊路、小辺路、大峰奥駈道などです。

今回は「紀伊山地の霊場とその参詣道」ということで、高野山と吉野山そして熊野三山とその参詣道である熊野街道のうち、昔の面影が残る部分が世界遺産に登録されました。

平安時代後期に後白川上皇が編纂した「梁塵秘抄」に次の有名な歌があります。

「熊野へ参るには、紀路と伊勢路のどれ近し、どれ遠し、広大無辺の道なれば、紀路も伊勢路も遠からず」

つまり、平安時代にはすでに紀伊路と伊勢路があったわけです。

特に熊野信仰の知識も無く、街道歩きの一環として歩き始めて数年、少しは熊野について知識を増やさなければと思ってぼちぼち勉強しています。
熊野信仰とは何か、王子とは何か、解らないことがいっぱい有ります。

最近の熊野古道歩き
方面 年月日 歩いた場所 年月日 歩いた場所
紀伊路 2017.04.21 大阪八軒屋浜〜阿倍野王子
小辺路 2016.3.19-20 十津川温泉から果無峠越え
伊勢路 2015.4.18-18 八鬼山・横吹き峠・のこぎり坂
2015.3.28 ツヅラト峠 2015.4.4 荷坂峠
2014.12.14 観音道から二木島へ逆行 2014.12.12 紀伊長島から三野瀬
2013.5.8-10 始神峠から熊野市まで
2010.03.13 ツヅラト峠〜尾鷲
本宮道 2013.1.27 裏本宮道 2014.12.13 風伝峠から丸山千枚田
2016.3.21 横垣峠
浜街道 2014.4.19-20 浜街道
中辺路 2012.3.10 熊野速玉大社から那智駅 2011.05.20 近露〜熊野本宮
大辺路 2012.3.11 紀伊浦神駅から紀伊勝浦
その他 2013.8.29-30 高野大峰歴史街道
2014.5.11 熊野川 三反帆

熊野古道全行程
熊野本宮辺り

熊野本宮大社周辺は湯の峰温泉や観光地がいっぱいです。
本宮、那智、新宮の熊野三山など、まず覗いてみてください。

観光案内です。

伊勢路へ

伊勢神宮から熊野本宮へ、江戸時代に栄えた庶民の道です。
尾鷲の八鬼山越えが最大の難所です。

全て歩きました。
松阪道 松阪から伊勢を経由せず直接栃原へ向かいました
一部修正しました。
歩いてみました

熊野脇道へ

伊勢路のバイパスです。田丸で分かれて南下し、いっぽんは
宮川沿いに、他の一本は南島町から海沿いです。

全て歩きました。

本宮道へ

熊野市で浜街道から分かれて本宮への近道です。
途中丸山千枚田なんかにも寄りました。

全て歩きました。
浜街道へ

熊野市から七里御浜伝いに新宮まで歩きます。
熊野川が県境で新宮市は和歌山県です。

全て歩きました。
川端街道へ

新宮と本宮を結ぶ重要な陸路でした。
熊野川の三重県側を歩きます。

全て歩きました。
紀伊路

京都から淀川を船で下った参詣者は窪津(天満橋付近)の第一
王子を起点に堺、岸和田・・・と田辺に向かった。

全て歩きました。

中辺路へ

紀伊路の紀伊田辺から本宮大社へ
多くの上皇が通った貴族の道でしょうか。

全て歩きました。

小辺路へ

高野山から熊野本宮への厳しい山越えの道です。
十津川温泉を越えて行きます。

全て歩きました。
大峰奥駈

桜で有名な吉野から1800m級の山々を越えて熊野本宮まで
続く修験者の道です。

全て歩きました。
大辺路

紀伊路の田辺で中辺路と分かれ、紀伊半島を海岸沿いに南下
串本を回って那智に至ります。

全て歩きました。
雲取越えへ

熊野那智大社から湯の峰温泉を経て本宮大社へ。
那智の滝や餓鬼伝説もあります。

全て歩きました。
一の水峠越え

裏本宮道

熊野市の木の本から井戸川を北上、一の水峠越えで赤倉へ
そして大丹倉から尾川へ到る古道です。
ガイドブックには全く載っていない道です。

歩いてみました。
高野大峰街道 紀伊山地の霊場とその参詣道の中で、一番陽が当たっていない
のではないでしょうか?
歩いてみました。


最近の熊野古道歩き
歩いた年月日 歩いた場所 備考
2014.5.11 熊野川 三反帆 紀伊半島みる観る探検隊
2014.4.19-20 伊勢路 浜街道 くまの体験企画
2013.8.29-30 高野大峰歴史街道
2013.5.8-10 伊勢路 始神峠から熊野市まで 趣味人の友人と
2013.1.27 伊勢路 裏本宮道 紀伊半島みる観る探検隊
2012.3.11 大辺路 紀伊浦神駅から紀伊勝浦 那智大社も参拝
2012.3.10 中辺路 熊野速玉大社からな那智駅 世界遺産高野坂
2011.12.21 伊勢路 始神峠 女房と
2011.08.30 伊勢路 大吹峠〜観音道 海は大荒れ
2011.05.20 中辺路 近露〜熊野本宮 山歩会
2011.04.30 伊勢路 一石峠。熊谷道 女房と
2011.03.18 伊勢路 ツヅラト峠 女房と
2010.03.13 伊勢路 ツヅラト峠〜尾鷲 やまびと例会


P1010028ss.jpg左の写真は熊野那智大社に伝わる、熊野詣での無事を願う行事だといいます。(一寸怪しい(笑)。)

さて、その街道は、紀伊路や伊勢路の殆どが舗装され車の通れる道として国道や県道に変貌しています。
しかし、当時の峠道のいくつかは、トンネルや迂回路により今は通られなくなりました。

その通られなくなった峠道が昔の面影を残しながら残っている、それが今、熊野古道と呼ばれているのです。勿論、大峰奥駈や小辺路・雲取越などは、今なお全体が往時の面影を残しています。

でも今ブームの古道歩きは、そんな厳しい道ではなく、これら石畳の道など昔の雰囲気を気軽に体験できる国道沿いの峠道ではないでしょうか。

だけど私は部分的な熊野古道だけではなく、できれば熊野街道全体、つまり自動車道になった部分を含めて、熊野街道と呼ばれた道を、できるだけ当時のルートに忠実に歩いてみたいと思いました。

今の国道や県道でみると、トンネルの部分は峠越えか海岸方面への回り道、大きな橋の架かっている部分は渡し船か山側への回り道。

これを頭に入れながら、旧熊野街道を探しながら歩いてみたいと思いました。なかなか広大な地域であり長い道なので、どこまで歩けるか不安でしたが一歩一歩歩いています。

熊野街道完全歩行の完成が近づきつつあります。

トップへ