大峰奥駈道の目次です。
2004年は奥駈で1年間費やしたようなものです。
大峰奥駈は全くの山岳縦走です。
45年前学生の頃名前だけは聞いていました。
それは熊野古道としてではなく大峰山脈の完全縦走として捕らえていました。
でもその頃は地味な紀伊半島の山より、どうせ何日もいくなら日本アルプスということで実現しませんでした。
山岳修行の場としての奥駈道は近鉄吉野線の六田駅付近を起点とするらしい。我々は、その一寸先の吉野神宮駅から歩きはじめました。
吉野からスタートして熊野本宮を目指す峰入りを逆峰、本宮から吉野を目指すのを順峰と呼び、要所要所で修行する峰入りは15日以上掛かったらしい。
吉野から山上ヶ岳を越え、近畿の最高峰八剣山(1915m)まで縦走して、更に釈迦岳を越えて太古の辻に至り前鬼にくだる。この道は北奥駈と呼ばれる。
一方、太古の辻から行仙岳・玉置山を越えて熊野本宮に至る道を南奥駈道という。
北奥駈道は標高こそ高いものの、交通の便も比較的良く、アプローチも簡単で小屋も整備されているため入山しやすい。
一方南奥駈道は交通の便悪く、有人小屋も無いため、食料や水、テント持参の山行となり、時間と体力も必要となる。
北と南を一気に縦走すればアプローチの心配は無くなるが、1週間以上の縦走は時間も体力も無い我々には無理で、その点が最大の難関だった。
最初にゴールデンウイークに南奥駈を4泊5日で歩いたのだが、すっかりバテてしまった。
その上笠捨山を過ぎて地蔵岳辺りの縦走は、結構鎖場が多く、冷や汗を掻く場面も度々でした。
その点、北奥駈は荷物も軽く、大した鎖場も無くて、楽な行程だったと思う。
なので、全行程を終えた今、心に残っているのはやはり南奥駈です。
特に太古の辻は自然の懐に抱かれるような癒しの世界を感じています。
それと、上葛川の民宿浦島さんは4回もお世話になり、今も、もう一度あの「しし鍋」を食べてみたいと思います。
前鬼小仲坊のご住職である五鬼助さんとお酒を飲みながら、いろんなお話を伺ったのも良い思い出です。前鬼の裏行場巡りが台風のため取りやめになっているのは心残りです。
逆に一寸なあと思うのは、弥山小屋や大峰山寺の宿坊で出される夕食の献立です。山小屋とはいえ、精進料理とはいえ、一寸お粗末ではないでしょうか。
なんせ、山歩きでおなかをすかし、夕食だけが楽しみなんですから(笑)。
その点、テントや無人小屋泊まりの時は、自分で好きなものを作れるので夕食の楽しみは倍化します。
まあ、良いにつけ悪いにつけ長く心に残る大峰奥駈道でした。
もう一度行けと言われても一寸無理ですかね(笑)。