熊野古道中辺路−2

8月13日 近露〜三越峠〜熊野本宮
中辺路3
中辺路野長瀬
今日のコースタイムは25キロで9時間40分、最近2日続けて長く歩いたことがないので心配。三越峠で昼食を食べれば後は下りなのでなんとかなる。

そう思って7時30分に民宿を出発する。三越峠までが6時間10分である。

ここからの道のりは田舎道というか自動車道路から離れた生活道路みたいな感じが多い。森林浴をしながら歩く山道もいいが、暮らしの一端がかいま見られるこんな道も楽しい。

野長瀬一族の墓に立ち寄って、近野神社をすぎ比曽原王子のある野中の集落にはいる。

水が遠いから娘は野中にやるなと言われたらしい野中は山の中腹にある。

そこに湧く野中の清水は少し道から外れるが是非行ってほしい。冷たく豊富な湧き水は、この2日間で最もおいしい水であった。

中辺路比曽原王子 中辺路野中の清水 中辺路継桜王子
比曽原王子跡 野中の清水、美味い。 継桜王子社と野中の一方杉

皇太子殿下御幸の地の立て札のある継桜王子を過ぎると、風情ある「とがの木茶屋」がある。横目でにらんで通り過ぎる。民宿もある。
この辺で泊まっていれば今日の行程も楽だけどと思いながら歩く。
最近、ここのお婆さんがよくテレビに出てきますね。

中辺路とがの木茶屋

中辺路中川王子

中辺路地蔵

とがの木茶屋

中の河王子

由緒ありそうな地蔵さん

このあたり、ずっと生活道路で平坦、秀衡桜を過ぎ、中の河王子や道ばたの由緒ありそうな地蔵さんを見ながら行くと新しいトンネルと休憩所があった。新高尾トンネルかな、一休み。

小広王子を過ぎると町道に出て、道標に従い右折して又左折する。休憩所を過ぎると山道に入る。ここから、草鞋峠、岩神峠と二つの峠が続く。なかでも岩神峠への男坂の上りが一仕事らしい。熊瀬川王子跡を過ぎると草鞋峠である。

中辺路小広王子

中辺路小広峠

中辺路熊瀬川王子
小広王子 熊瀬川王子への登り 熊瀬川王子

草鞋峠で語り部を伴った家族連れに合う。今朝どこから出発したかと疑問に思ったが、小広峠までタクシーで来て、この先のどこかで待たせているらしい。こういう観光タクシーの需要は結構あるらしい。草鞋峠を降ると仲人茶屋跡がある。ここからが男坂と言われる登りである。

中辺路草鞋峠 中辺路仲人茶屋 中辺路男坂
男坂の登り。

岩神王子跡をすぎると急な下り。おぎん地蔵、蛇形地蔵を過ぎ、川を渡って少し行くと湯川王子社につく。無人だが今でも湯川一族が守っているとある。三越峠への最後の登りに入る。この辺り、昨日の疲れもあってバテ気味で登る。標高差100m程度だが30分掛かって、ようやく三越(みこし)峠の休憩所にたどりつく。

中辺路岩神王子 中辺路湯川王子 中辺路三越峠
岩神王子跡 湯川王子社 三越峠休憩所

ここで中辺路町から本宮町に入る。休憩所のコースガイドに本宮まで3時間20分とでている。まあ、このペースなら意外と早く着けるだろうと安心する。昼食を挟んで12時45分まで休憩する。宿で作って貰ったおにぎりをほうばるが疲れすぎているので食欲がない。なんとか三つ食べる。

中辺路道2

中辺路赤木入口

中辺路船玉神社

三越峠から船玉神社へ

赤木越えへの分岐、広場になっている。

船玉神社


三越峠から音無川をくだり、赤木越えの分岐を過ぎると船玉神社があり、少し行くと猪鼻王子跡である。ここまで1時間。コースタイムは50分なのに、ゆっくりしすぎているのか疲れているのか。

中辺路猪ノ鼻王子

中辺路発心門王子

中辺路水呑王子

猪鼻王子跡

発心門王子社

水呑王子跡


ここから80mほどの登りで、5体王子の一つで熊野の聖域への入り口とされる発心門王子社がある。きれいに整備されている。ここから舗装された生活道路に入り、無人の土産物販売店などをみて、水呑王子へつく。
隣の建物に大きな面が掛かっていた。水もおいしい。

中辺路面 中辺路果無説明 中辺路伏し拝み
水呑王子付近の大きな面 果無山脈の案内、名前が魅力的。 伏拝王子跡

ここから杉木立の道を進む。伏拝の集落に入り果無山脈の案内看板に見入りながら伏拝王子跡につく。ここで始めて熊野本宮の社が見えて伏し拝んだということらしいが、現在の社殿の位置は変わっているので見えないらしい。背後には大雲取り越えの山々が見える。いずれ行きたいと思う。休憩所もある。

中辺路和泉式部

中辺路伏拝み

中辺路九鬼関所

伏拝の和泉式部の碑 伏拝王子跡から本宮方面を望む 九鬼関所跡

中辺路祓戸王子
伏拝王子跡には和泉式部の碑がある。
女性も参詣した、つまり、熊野本宮は女性の差別はしていなかったということらしい。

15分程で吊り橋が道路を跨ぎ、九鬼関所跡の休憩所があり、そこで休む。
後、本宮まで1時間足らずである。ここの案内板に標高が書かれている。

本宮のあたりは標高89mとあり意外と低いなと思う。道理で熊野川がゆったり流れているわけだと妙に納得する。

関所跡を出て更に山道を下り、人里に出ると祓所の団地だった。通り過ぎると祓戸王子跡で、そこから2−3分で本宮大社の裏門である。



中辺路本宮3 中辺路本殿2 中辺路本殿1
本宮の社殿、奥が本殿 本宮の社殿、4つの社殿がある。 本宮の社殿

午後4時の到着であった。4時38分に湯の峰行きのバスがあるという。徒歩1時間強の大日越えは気力なくパスすることに。本宮大社にゆっくりお参りして缶ビールを呑みながらバスを待った。

湯の峰温泉へ

2009年3月8日 三越峠から本宮を再度歩きました。