中辺路 新宮〜那智
2006年9月17日天気雨 メンバー単独
昨晩は疲れていたのか部屋へ帰るとすぐに寝てしまったので今日の行程の検討が全くされていない。6時半に起きて地図を眺める。
今日は短いので4時間程度と見て、その前に神倉神社に参拝すると1時間半、それでも5時間半なので朝7時半に出れば午後1時には那智に着く。
それならまだ歩いていない那智から大門坂入り口まで1時間半歩いても5時のワイドビュー南紀には充分間に合うと計算できた。
うまくいけば那智駅で丹敷の湯にも入れるかもしれない。
さて、この新宮から那智までの道は浜街道の続きかと思っていたがそうでもないらしい。
地理的には続きなんだが時代的に違うようです。
浜街道には王子は無いが、この道にはある。紀伊田辺から中辺路で本宮にお詣りした人が、舟か川端街道で新宮に下り、続いて那智に向かった中辺路の一貫であったとするのが正しいようです。
さて、神倉神社は速玉大社の摂社であることは勿論、それより天然石の急勾配の階段と、松明を持って駆け下りる勇壮な祭が有名です。
宿の主人や神倉地区の人に神社までの道を尋ねると、実にうれしそうに親切に教えてくれた。その様子から神倉神社が地元の人々に相当愛されていることが解った。
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新宮の町からゴトビキ岩が見える |
登り口から急な階段 350段あるとか |
ゴトビキ岩 |
宿から15分、神倉神社に着く。ここから有名な350段に及ぶ急な階段を登る。最初の百段程は本当に急で息も切れるしふらつくと危ない。
ゆっくり登って15分程でご神体の「ゴトビキ岩」に着く。ヒキガエルという意味だとか。
ここからは新宮市街が一望でき、今日歩く予定の海岸方面をなぞってみた。
ところでここから、尾根伝いに速玉大社まで歩く道があると聞いていたので一寸覗いてみた。確かに有るようだがあまり踏まれている様子も無い。雨も降ってきたので今回は諦めることにした。
境内で雨具をつけ街道に戻る。途中、徐福公園に寄ってコースに戻ったのはやはり9時でした。
5分程で阿須賀(あすか)神社に着きます。熊野川の河口に接する蓬莱山の麓にある阿須賀神社は、神倉山に降臨した熊野大権現が速玉神社え祀られる前に祀られていたとか、徐福が上陸した場所とか色々伝説はある。今は速玉神社の摂社である。入り口の手水鉢の大きな岩が古代のものと言われている。
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徐福伝説の徐福公園 |
阿須賀神社近くの舗道に案内が |
阿須賀(あすか)神社 |
この辺の地名が「蓬莱」、隣が「熊野地」次が「王子」と由緒ありげな地名が続きます。熊野地には新宮十郎行家の屋敷跡があり、また歩くと右手の奥まった所に石仏が並んでいました。見に行くと、高野山の阿弥陀堂でした。
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阿須賀神社の手水鉢 |
新宮十郎行家の屋敷跡 |
高野山の阿弥陀堂 |
そこからすぐ第一王子橋で、渡った左手にお地蔵さんのお堂が有った。覗き込んでいると地元のおばさんが「古いお地蔵さんらしいですよ」と話し掛けてきた。王子神社の場所を教えてもらって、到着は9時30分だった。
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第一王子橋 |
橋の側の古い地蔵さん |
王子神社(浜王子跡) |
雨も本降りになってきたのでズボンもはくことにする。お参りしながらゆっくり休んでいると、ここでもお婆さんが話し掛けてきた。神倉神社の話題になると俄然勢いが良くなる。四国の金毘羅さんよりすごいという結論だった(笑)。50分に出発する。
道路の下をくぐって「王子ヶ浜」に出る。風雨強く波も荒い。ここは堤防も短く、しかたなく砂浜を歩く。30分ほど砂浜を歩くと岸壁にぶつかり、右に登ると「高野坂」の上り口でトイレがあった。ここからは世界遺産に登録されている。15人位の女性グループが出発していった。引率のガイドによると、高野坂だけ歩いて丸山千枚田に行くという。一緒に歩くのも嫌なので15分ほど休憩した。
高野坂はさすがに世界遺産だけあってよく手入れされているし、よく踏まれている。道端の石仏など見ながら10分も登ると五輪塔の案内があった。海岸の方へ歩きかけたがくもの巣一杯で止めた汗(笑)。更に10分一寸で鳥居があり中に入ってお参りする。金光稲荷神社とか。近くに東屋の休憩施設があったが猫の食器が置いてあった。この辺で熊野灘が見えてくる。
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稲荷さんの近く、東屋もある |
展望台からの眺め |
立派な石畳だけど怖い |
一寸下ると展望台への案内があった。今度は寄ってみることにした。5分ほど歩いて着いたが余りたいした事無かった。強い雨にさえぎられて遠くが良く見えない。
30分弱下って線路を越え三輪崎の駅前に着いたのは11時35分だった。雨はますます強くとりあえず雨宿りする。ここまで1時間40分の予定が2時間半も掛かっている。10分程休んでいると雨が止んだ。これ幸と出発すると、祭りの法被姿が遠くに見えた。街道とは違うが方向は同じなので見に行くことにした。
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三輪崎のお祭り、雨の中 |
新宮港、佐野一里塚もある |
佐野王子跡の石仏 |
そのまま旧道を歩いて42号線に出る。見覚えのある新宮港の前に出て、佐野の一里塚の近くの中華料理店に入ったのが12時15分だった。35分には店を出る。右手のショッピングゾーンの前を通過すると国道に面して佐野王子跡があった。尼将軍供養塔・地蔵さんなどがある。こんな所にあるなんて車で通っているだけでは解らないものですね。
さて、ここからは国道歩きです。しかも歩道が有りません。車は多いし雨も止まず、命がけの歩きです(笑)。25分も歩いたでしょうか、ガソリンスタンドの脇から右折です。小狗子(こくじ)峠北口の案内が有りました。
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この辺で右折 |
小狗子峠への案内 |
あまり踏まれていない |
自動車学校の横を通って登りに入りますが、高野坂と違って余り踏まれていない、サワガニが一杯居る薄暗い峠道です。25分程でまた国道に出ます。
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小狗子峠の切り通し |
小狗子峠 何もない |
降ってくると海が見える |
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小狗子峠南口 |
狗子の浦のサーファー |
大狗子峠北口 |
続いて大狗子(おおくじ)峠が有るのですが、手前左手の狗子の浦という海岸にサーファーが一杯居ます。つかまえて聞いてみると「台風が接近したときだけいい波が来るので集まる。」と言っていました。
大狗子峠も荒れています。10分程で越えて南口に着いたのは2時頃です。ここからは又歩道の無い国道歩きです。雨の中、30分近く歩いて那智の海岸が見えてくる頃、熊の古道は右に分かれ、5分ほどで「浜の宮王子」到着です。土砂降りなので、たまらず、三所神社の社殿に駆け込んで雨宿りです。2時半頃です。新宮から5時間半も掛かってしまいました。雨の日は何をするにも時間がかかるようです。
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那智の海岸も煙っている |
三所神社 本殿 |
左の木の下に浜の宮王子跡 |
さて、この後どうするか?
雲取り越えへ