熊野街道 伊勢路 尾鷲〜熊野 その1

2008年3月、「やまびと」の皆さんを昨年に続いて一泊二日で熊野古を案内することになった。
前回は雲取越えだったので今回は伊勢路を選んだ。
尾鷲市から熊野市まで伊勢路のハイライトを二日間で歩くことにした。
このコースは伊勢路最大の難所と言われた八鬼山越えを含め、ロングコースとなり、1日の歩行時間も長いので、一般の古道歩きの人には一寸厳しいが、日頃山歩きに慣れている「やまびと」のメンバーなら可能と考えました。
大体の日程は名古屋発8時11分のJR南紀1号に乗り、尾鷲に10時32分到着。
この日は八鬼山を越え、三木里から峠を二つ越えて賀田で宿泊する。
翌日は熊野市に入り、国道311号線を出入りしながら、峠を5つほど越えて熊野市駅に夕刻到着し、5時47分発の南紀8号で帰るというものです。
比較的車道歩きが少なく、熊野灘の景色も眺められて、私は伊勢路のハイライトだと思っています。
また私のダイビングのホームグラウンドである「ダイビングリゾートくまの灘」のすぐ近くを通るコースでもあり、私のホームページのタイトル「三重県のダイビングと熊野古道など」の名付け親みたいな地域です。
上の写真は、コース最後の峠となる松本峠のお地蔵様です。
2008年3月15日 尾鷲から賀田
 |
 |
 |
八鬼山登山口から馬越峠を望む |
最初の行き倒れの碑 |
苔と清流がきれい |
尾鷲駅から登山口までは時間節約のためタクシーを利用、1600円位です。
東邦石油の貯蔵タンクの近くの登山口からは馬越峠と天狗倉山が見えています。やまびとの皆さんは精進がいいのか、昨日とは打って変わって晴天です。
トイレをすまし体操もして、登山口出発は11時頃です。
石畳の道にはすぐ行き倒れの碑があります。
天気もよく清流や緑もきれいで絶好のウオーキング日和です。
登り始めると八鬼山越を世界遺産に登録することに反対する地元住民の落書きが立ち木に醜く書かれています。
登録により自由な土地利用を制限されるだろう地元住民の気持ちも理解できないことではありませんが・・・・・・・。
登山口から35分で籠立場という小さな広場にでます。水はちょろちょろです。
登山口から1時間、12時に難所と言われた七曲に着きます。
ここから15分ぐらいが急坂です。
振り返ると尾鷲市街が見え、遠く大台ケ原の山頂は雪が残っているようです。
150m?毎に立てられた木の道標が、八鬼山越えは63本あります。頂上は37か38辺りです。
この道標の下に巻かれた白いテープが、夜はヘッドランプの光に反応して光ってくれます。
蓮華石・烏帽子岩を過ぎ、九鬼峠到着は12時45分、九鬼の集落がちらっと見えます。
 |
 |
 |
荒神堂 |
竜神さまの水が旨い |
八鬼山峠を左折桜の森へ |
九鬼峠から10分ほどで荒神堂の茶屋跡に着きます。
ここの水は非常に柔らかく美味しい水です。
更に10分も登れば待望の八鬼山峠です。
直進すると明治の道で三木里に下ります。
我々は左折して江戸の道に入り、桜の森エリアを目指します。
八鬼山の山頂は峠の左上です。ピークハンティングにこだわる人は見ておきましょう。
桜の広場へは峠から5分、熊野灘の眺望が広がります。
右の写真は広場から九鬼を見ています。
到着は1時10分でした。ほぼ予定通りです。
この広場で昼食にするため、お腹が空かないよう車中でおにぎりを食べてきたのでした。
今日は天気が良く、やや春霞みですが、紀伊長島方面や賀田湾、振り返れば南奥駆けの山々まで見えているようでした。
30分ほどここで昼食休憩し集合写真も撮りました。
出発は1時45分です。
江戸の道を下ります。
 |
 |
 |
桜の広場から紀伊長島方面 |
大峰奥駈の笠捨山方面 |
桜の森広場 |
 |
 |
 |
三木里が見える |
石畳を慎重に下る |
明治の道との合流点 |
急な坂道を慎重に下ると三木里海岸がちらっと見えます。
35分ほどで明治の道との合流点です。この辺り石畳がきれいです。
広場から1時間10分で三木里側登山口に着きます。
そこから10分ほどで名柄の一里塚でトイレも有り小休止できます。
海岸へ出る猪垣の道を歩いていると、アルバイトの郵便局の車が岩に乗り上げ立ち往生していました。
皆で脱出させました(笑)。
 |
 |
 |
八鬼山方面を振り返る |
よこね道入口 |
比丘尼転びの案内 |
ここで今日の行程が終わりなら良いのですが、我々はまだ賀田まで2時間半の行程を歩かないといけません。
三木里の集落を311号線で通り抜け、最近開発された「よこね道」に入ります。
熊野信仰を全国に広めた熊野比丘尼が多分疲労か病気で倒れたのでしょう、比丘尼転びの案内がありました。
よこね道は一旦国道に降りてきます。再度三木峠の登り口から三木峠を目指します。
三木峠到着は4時20分。目指す賀田までは1時間半程度が予想されるので、ようやく6時到着を確信できました。
峠の近くに展望台があり三木浦の眺望が楽しめます。
ここは私がダイビングのCカード取得時に海洋実習をした思い出の場所です。
 |
 |
 |
展望台から三木崎方面 |
羽後峠への登り口を指す道標 |
猪垣の道を行く |
三木峠の下りは一旦車道に出てその車道を横断して海岸の311号線まで下ります。
その車道沿いを歩いても羽後峠の登り口へ通じていますが、一寸はしょり過ぎなので忠実に古道を歩きました。
この辺り、さすがにメンバーも疲れ気味で、羽後峠登り口までの45分間は相当長く感じたのでは無いかと思います。
羽後峠登り口の方向を示す道標は、そこが登り口と勘違いさせ、あれまた登り口と思わせます。
それが二三度続くと疲れが倍加します。
羽後峠到着は5時20分。長かった1日の行程ももうすぐ終わりです。
その後には冷たいビールも待っています(笑)。
元気を出して5時半に出発です。
夕闇せまる午後6時、予定通り民宿まさはる屋さんに到着です。
まさはる屋さんは釣り宿と熊野古道の宿を看板としている家族的な民宿です。
軽妙なご主人の話術が疲れを癒してくれます。
豪華な海の幸と差し入れの泡盛や日本酒で宴会は盛り上がり、私は一寸飲みすぎて意識不明でした(汗)。
翌日へ