2011年6月1日(水)ホータンへ

今日はケリヤを出てホータン(和田)へ向かいます。ホータンは紀元前242年から紀元後1006年まで栄えたウテン国の首都です。当時は西域仏教の中心地で、玄奘三蔵もインドの帰りに立ち寄り、8ヶ月も滞在しています。現在の人口は28万人、ウイグル族が大半です。ただ現在はもっとも貧しい地区だそうです。また長寿の地区でもあるそうです。
やはり粗食で働くのが良いのか、特産の玉に含まれる金属成分の性とか、長寿の秘密は解らないそうです。
特産品は玉、絨毯、シルクです。特に玉は有名で、シルクロードより前から玉の道があったそうです。

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橋はいたる所で工事中 ムードあるポプラ並木の道 ガソリンはリッター7.34元

9時にホテルを出発、雲行きが怪しいので雨具を手荷物に入れました。年に30ミリしか雨が降らないのに、雨具の準備をするのも変ですが、空を見るのが癖になっています。国道315号線を西へ進みます。この315号線は青海省の西寧から2千数百キロも続いてきています。終着点のカシュガルまでは3000キロに及ぶ遥かな国道です。
快適に舗装されていますが、橋はすべて工事中で迂回するため時間がかかります。
10時40分ガソリンスタンドに入りましたが、ガソリンは1L当たり7.34元だったので1元=14.5円とすると106円ですね。日本より安いですが、ここ4.5年で2倍になったと嘆いていました。
11時過ぎ、雨が降ってきました。今年2度目の雨だそうです。今回は崑崙山脈が見える珍しい晴天かと思うと、滅多に出会わない雨が降ったり、憑いているようですね(笑)

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今年2回目の雨とか 今度は砂嵐か ユルカンシュ河 なにやら川原に人が

11時半頃ホータンに近ずくと、今度は砂嵐が見えました。これだけは止めてほしい。春は砂嵐の季節で、ホータン人は1日50gの砂を食べると言われているとか。
12時ごろ、ホータンに入りユルンカシュ河を渡りました。川原に多勢の人が居ますが、一攫千金を夢見て玉を捜している人だそうです。
昔はこれでも採れたそうですが、今では大型の建設機械で掘らないと無理だそうです。ただ、むやみにユンボで川原を掘ることは禁じられているそうですが。

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玉を捜している ホータンの街 マリカワト故城

ホテルで30分ほど休憩して、現地ガイドの女性と合流、マリカワト故城へでかけました。マリカワト古城はホータンの南25キロほどにある、ウテン国の夏の離宮跡だそうです。
途中、道端で玉の取引をしている傍を通って、13時15分に到着しました。背後には崑崙山脈が聳えています。
カメラの持ち込みは10元、ビデオは25元だそうですが、今日は管理人が来ていないのでフリーです(笑)。

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後方は崑崙山脈 城壁の跡か ロバ車の勧誘に来る

入口から5.6百m歩きますが、風が強く寒いので雨具を着ました。子供がロバ車で付いてきます。10元だそうです。
女性が二人乗ったら、親方が取り上げていました。その親方が、降りるとまだお金を貰っていないと再度請求しました。油断も隙もないですね。
バスに乗って帰りかけると、今度は道の真ん中にお婆さんが寝そべりました。お金をあげると道を空けてくれます。15年前からやっているそうです。

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道の中央に寝そべって 高台から故城方面 子供の日の賑わい

14時45分、ホータンに帰ってきました。公園は大変な人だかりです。6月1日は中国の子供の日だそうで、小学校・中学校がお休みだそうです。
昼食後シルク工房へ出かけました、16時10分の到着です。絨毯は非常に根気のいる仕事なので女性が、シルクは男性の仕事だったそうです。
そう言えば、結婚しても女性の性は変わらないとか言っていました。

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シルク工房入口 繭から糸をとる説明の現地ガイドさん ラクダの散歩に行った

次に新しくホータン〜アクス間に作られた砂漠公路で少しタクラマカン砂漠へ入って、ラクダで砂漠散歩に出かけました。昔のシルクロードは今の国道315号線より、少し砂漠側に入った所を通っていたようです。その道筋の遺跡の近所でしょうか。

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これでラクダを集める 隊商の気分です ラクダは帰っていきました

ラクダは手足をゆるく縛って放牧し、予約が入るとオートバイで集めてくるんだそうです。30分弱の散歩ですが、ラクダに乗ると遠くまで見渡せるので砂漠の隊商の気分を味わえます。
またホータンへ戻り、今度は絨毯工場を見学しました。これで玉の加工工場でも見れば、ホータンの特産品すべてを見るのですが、それはありませんでした。

今、ホータンでは、玉を掘り当てた人と、そうでない人との貧富の差が大きく、問題だそうです。また、にわか成金なので教養が伴わず、例えばオートバイを買っても交通法規を知らないのでマナーも悪く、事故が多いとガイドのアティカムさんは嘆いていました。日本では玉はそんなに人気がありませんが、中国では非常に人気なようです。
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絨毯工場 バザールの賑わい 子供は皆可愛い

バザールに行きました。日曜日ならもっと多勢の人出だそうですが、それでも大変な賑わいです。ウイグル族もバザールが大好きなんでしょうね。
ガイドさんの説明で、ホータンには食べられるバラの花があって、それから作ったジャムが自然食で美味しいと聞きました。皆がお土産に買いたいと言い出し、ガイドさんが斡旋して買いました。500g入りの容器で50元でした。

団結広場に毛沢東とウイグルの爺さんが握手する像があります。ロバ車に乗って北京まで毛沢東に会いに行こうとした爺さんを、北京に招待して握手したときの様子だそうです。クルバンおじさんだそうで、民族団結のシンボルだそうです。

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人妻は夫以外に顔を見せない クルバンおじさんと毛沢東

レストランで夕食ですが、イスラム教徒はお酒を飲まないため、ビールは常備していないようです。我々観光客が飲むのはかまわないそうですが。
ビールを注文すると外へ買いに行きます。慣れていないので冷えていないビールを買ってきたり、栓抜きが無かったりします(笑)。最近では、ウイグル族も若い人はお酒を飲むようになってきたそうですが。無宗教の漢民族や日本人のように将来はなるかもしれませんねえ。

明日はいよいよカシュガルへ行きます