富士山
富士山については日本を象徴する山で有りながらこれまで縁が無かった。
2番目の北岳や3番目の奥穂高岳など殆どの3000m級の山は登っているはずだが、何故か富士山だけは登っていなかった。
理由は夏の富士山は人が多すぎるし、冬の富士山に登るだけの技術が無かったからである。又、独立峰で溶岩の山肌が、緑を好む私の趣味に合わなかった性もあると思う。
ところが今回は、10月のヒマラヤトレッキングの準備として、高所順応をしてみたくなった。2番の北岳は3192mなので、もう少し高い3776mの富士山の頂上付近で、寝たりお酒を飲んだりして高山病の気配が出るか否か試してみたかったのです。
それで頂上小屋が開いているぎりぎりの8月29.30日を連泊で予約して出かけることにした。
2008年8月29日(金)
前夜からわが家に泊まってもらったOさんと、6時半に車で出発、途中刈谷SAでIさんを拾って、11時前には富士宮登山口に着いた。
天気予報は雨で、前夜は雷を伴う土砂降りで、うちのミーちゃんをなだめるのに苦労していたのに、登山口は快晴でした。日焼け止めの心配をしています。
左は雷におびえて、机と本棚の間に潜り込もうとするみーちゃんです(笑)。
ウイークデーなので駐車場も空いていて、登山口のすぐ近くに駐車できた。弁当を食べて11時20分には出発した。
荷物は山小屋の粗末な食事を補うべく、お酒・ワイン・焼酎と副食・おつまみなど詰め込んで、私とOさんは多分10キロ強、Iさんはシュラフ・炊事道具・生卵まで持ってきて20キロ位らしい。
登山口は標高2400m、富士の登山口の中では一番高い。それでも標高差は1400m近くあり、私は膝が心配です。
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3合目付近の公園から富士が見える |
駐車場からは頂上まで見えた。 |
焼肉弁当で腹ごしらえ |
登頂時間は5時間程度と見て、4時半ごろの到着を予定しました。
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お茶は300円です。 |
富士宮口 登山口 |
すぐ溶岩の道になる。 |
2490mの6合目、雲海荘までは足慣らしという感じで、20分で着くでしょう。
ここで宝永山への道が分かれます。ここからが本格的な登山道で険しさも増してきます。
でも回りには赤い花もちらちら見えて、目を楽しませてくれます。
2780mの新7号目、ご来光荘へは12時40分に到着。標高差300mを1時間できています。Oさんは快調、Iさんは荷物が重くしんどそうです。
溶岩の向こうに見える宝永山はもう目の下になっています。
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宝永山 |
元祖7合目 山口山荘 |
Iさんはやや疲れ気味か |
天気は変わりやすく、ガスが掛かったり晴れたりで、頂上付近はもう見えません。
次の小屋は3010m,元祖7合目という山口山荘です。新とか元祖とか元とか、ややこしい限りです。8合目だと思っていた人はがっかりするでしょう。
山口山荘到着は1時40分。230mを1時間です。こんどはOさんの調子が悪いようです。高山病特有の頭痛や吐き気は無いようなので、単なる疲れのようです。
日頃の訓練不足が祟っているようです。
北アルプスなら既に稜線に出て、小屋も目の前という高度ですが、さすがに富士山は高い、まだ700mも登る必要があります。
少し長く休んで出発しましたがOさんは回復しません。駄目なら8合目の小屋にOさんは泊まってもらおうと、励ましながら3250mの 池田館に着いたのは2時50分です。ところが池田館はすでに閉鎖されていました。標高差150mを1時間というのは最初のペースの半分です。前途多難を思わせます。
でも、ともかく次の9合目まで頑張るしかありません。当初苦しんでいたIさんは、この辺ではむしろ元気になっています。
途中に木の柱にコインを埋め込んだモニュメントみたいなのがありました。8合目から上は浅間神社の奥の院になっています。
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9合目、ここでIさんは泊まることに。3450m。 |
お茶は400円になっています。 |
9合5勺も閉鎖していました。 |
山頂富士館からは6時までに入るように言われています。そこでIさんに先行してもらい、事情を説明して予約を1名減らす。そして私は少し遅れると伝えてもらうことにしました。
Oさんも頑張って3460mの9合目、万年雪荘に着いたのは4時でした。ここから山頂小屋までは標準タイムで1時間25分です。でも今のOさんの体調だと2時間では無理でしょう。それに、なにも無理する理由もありません。今日はここでゆっくり休んで、明朝登ってくれば良いでしょう。
ということでOさんはここで泊まってもらうことにしました。幸いウイークデイなので空いていました。
手続を済ませて4時20分頃、一人で9合目を出発しました。
4時45分頃、ここも閉鎖されている9合5勺に到着、Iさんが出発していく後姿が見えました。
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もうすぐ山頂 |
頂上富士館は閉鎖かと焦った |
浅間神社 |
この頃には頂上はガスがかかり、辺りも薄暗くなっています。頂上直下でIさんに追いつき話していると、女性が一人降りてきました。9合目の小屋のスタッフだそうですが、神社も富士館も閉鎖されているという。
びっくりしながら5時30分頂上富士館に着くと、なるほど閉まっている。でも中に人が居るようなので、予約してある旨伝えて入れてもらった。
富士館はもう閉鎖したいような雰囲気で、商売気は無いようだった。
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富士館内部 |
カレーだけではさびしい |
お茶は500円でした。お酒は無い。 |
宿泊客は我々二人の他は一組のご夫婦だけ。もう布団にくるまっておられた。
消灯7時とあって、我々もすぐ食事。前もって調べて承知していたものの、カレーだけの食事は寂しい。
最近は北アルプスの山小屋など、これが山小屋の食事かと思うほどの食事を出すのに、どうして富士山の小屋だけがこんなに粗末な食事なのか。不思議でしょうがない。やはり、ほっておいてもお客がどんどん来るという立地条件からくるのだろうか。
それと予想外だったのは、我々は連泊するのに荷物を部屋に置けないという。明日朝4時には荷物を全部部屋から出せという。空身でのんびり1日富士山の頂上を楽しもうと思ったのに宛てが外れた。この時点で、連泊の意欲は半分無くなってしまった。
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とりあえず蟹缶などで一杯 |
泊まり客は居ない |
まあしかし、富士山に来た目的は果たさないといけないので焼酎を飲むことにした(笑)。持参のおつまみを出してきて、ソーダ割と水割りを4〜5杯飲んでみた。
高山では酒は飲まないのが鉄則らしいが、3750mでは特に影響は無いみたい。少し廻りが早いように思うが気のせいかもしれない。
そろそろ消灯ですの声にうながされてお開きにした。
7時では眠れないのでIさんは廊下でもう少し飲んでいたようです。
布団に入ると足が痙攣した。歳の性で疲れすぎると痙攣するようになった。予防のため今回は、水の代わりにポカリスエット、梅干も2個貰って食べたのに効果なかった。
そのうち寝てしまった。
翌日へ