姫越山(ひめごやま)
20006年12月23日 天気晴れ メンバー単独
姫越山は南伊勢町新桑と大紀町錦の境にあります。
以前、熊野脇道を歩いて当時の南島町新桑に来て、姫越山を越えて錦に出ようとしたのですが失敗しました。
左図の青い線で新桑から入り尾根を直登したのですが、×印の辺りで背丈以上のシダの群生に阻まれて敗退しました。
最近ウエブで藪こぎさんの報告を読んで左図の赤色点線のようなルートで稜線に出たのを知りました。
地形図の点線を信用して、生真面目に尾根を直登した私が馬鹿だったようです。
さて今回は逆の錦側から登ることにしました。このルートはメジャーとは言いませんが多くの人が楽しんでいるルートで道の心配はありません。
姫越山は海抜503mですが、0m近くから登るので標高差は正味です。
それと頂上から一旦芦浜に降り、また200m以上上って錦に帰るので、正味5時間、休憩も考えると6時間の長丁場になります。
朝は早めの出発がお勧めな訳です。
姫越山の名前の由来は、昔、平家の落人の姫君が従者と共に山越えで新桑に行こうとして越えられず病に倒れて死亡したとかの言い伝えがあるようです。頂上の近くに侍従の塚や姫塚があります。
また芦浜は、かって中部電力が原子力発電所を計画して住民の反対で断念した経緯があります。
さて今日は7時半に家を出るつもりが8時になり、勢和多気が9時、途中のコンビニで弁当を買い、錦についたのは9時55分でした。日の出橋バス停の町営無料駐車場に車を止め、身支度して出発したのが10時5分です。天気は快晴でこれから歩く尾根道や姫越山がくっきり見えています。
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駐車場から姫越山(中央)を望む |
正面の石段が登山口 |
避難所から錦の町並み |
川沿いに歩くと前方にコンクリートの階段が見えますが、それが登り口です。津波の避難所にするため階段を新設されたようです。
避難所のすぐ上には「妙姫大明神」のお堂がありますが、これが亡くなった姫なのでしょうか。
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妙姫大明神 |
尾根道になる |
展望台から錦湾 10時37分 |
ここから山道になり急登になります。今日は寒さに備えてウインドヤッケを着ているので、汗をかかないようゆっくり登ります。200m付近で緩やかになり尾根道を少し歩くと展望台でした。10時35分頃です。錦湾の展望がすばらしいです。ここで休憩してヤッケを脱ぎました。
さらに30分ほど登って400mを越えた辺りに爺ヶ塚があります。侍従の塚とも書かれています。頂上まで30分と書いてあります。11時17分。
5分ほど歩くと芦浜への分岐です。その上3分で姫塚です。姫塚のところは二股に分かれていますが、どちらを通っても同じなので姫塚を見ていきましょう。
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姫塚 11時26分 |
姫越山山頂 11時37分 |
山頂から芦浜と熊野灘 |
姫塚から10分一寸の登りで姫越山山頂です。11時37分、駐車場から約1時間半で到着です。先着していた割と重装備の若い男女数人のグループが出発していきました。今日は1日これ以外の登山者には会いませんでした。
頂上からの展望は文句なしに素晴らしいです。眼下に芦浜と芦浜湖、その向うははるかに熊野灘が広がります。北側は木に遮られて見えません。この地形では北側から入ってくる私の熊野脇道ルートは無いようです。やはりのろし台の下あたりが有力のようでした。
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狼煙台跡かな |
新桑方面への脇道? |
姫塚方面への脇道? |
ここで弁当とも思いましたが、少し早いので10分ほど休憩して出発しました。すぐに炭焼きの跡のような石組みがありますが、これが昔ののろし台なのかもしれません。近くにのろし台跡の案内がありました。11時50分。
慎重に辺りを見ながら降るとすぐ十字路になりました。これが熊野脇道なのでしょうか。左の新桑側へ入って見ましたが10mほどで道はブッシュに阻まれます。現状では相当の藪漕ぎを覚悟する必要がありそうです。右側の姫塚方面への道はもう少し続いているようです。でも今日はまだ先も長いので諦めて引き返しました。
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芦浜湖が見えてくる |
弁当と鬼ころし |
新桑方面への分岐 |
そこから20分位降ると中部電力の看板があり、新桑方面への道が左に分かれます。その一寸手前上に芦浜湖が見える日当たりの良い場所が有ったので昼食にしました。弁当と一緒に買ってきた鬼殺しをストローで吸いながら弁当を食べました(笑)。山の上で飲む酒はほんとに美味しいです。12時20分〜50分。
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こんな道を気持ちよく下る |
前回はこんなシダに阻まれて敗退した |
立派な小屋があった |
分岐の辺りの標高は360m位、中電の目印杭に2100mとありました。多分下までの距離なのでしょう。日当たりの良い道をじぐざぐに30分下ると山道は終わり、立派な小屋がありました。中電の作業小屋だったのでしょうか。そこから10分弱で芦浜に出ました。13時30分。
今日は気温は15度はあるでしょう。風も弱く、渚に出て、のんびり10分ほど休憩しました。出発して林の中を芦浜湖の湖畔に出てみました。姫越山が鮮やかに見えています。
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芦浜 13時30分 |
芦浜湖から姫越山 |
無数の鹿の足跡 |
湖畔の砂には無数の鹿の足跡が残っています。よるにはどこからか鹿が来て水を飲むのでしょう。原発が出来なくて良かったかもしれません。そういえば、このルートはイノシシの堀跡もいたるところに有りました。
芦浜からの帰り道は何の案内もありません。きっと中電の社有地なので大ぴらにハイキングコースに出来ないのだろうと思います。砂浜の右端に堤防があり、その上を歩けば自然に山道に入ります。13時55分です。
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堤防の上を手前に歩いてくる |
登って振り返ると芦浜湖 |
姫越山分岐 14時18分 |
ここから又200mの登りです。砂浜でのんびりした後だけにこの登りは応えます。25分ぐらい登った所に中電の三角点があり尾根道になります。さらに10分弱でまた中電の看板があり、そこが姫越山への分岐です。
ここからは標高200m辺りの崖の中腹を確かな道が巻いています。海岸線の地形に沿って凹凸しているため帰りは結構時間がかかります。
20分歩くと弘法の水という清水があり、さらに5分で近畿自然歩道の案内がありました。標高は250m弱です。左へ石段を下ると黒島展望台とありましたが、足も疲れてきているのでパスしました。10時45分〜55分。
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黒島展望台分岐 14時45分〜55分 |
錦中学分岐 |
浅間神社 15時18分 |
そこから15分、徐々に高度を下げるとまた近畿自然歩道の案内で左錦中学とありました。地形図の点線はこの道のようです。その道には入らず浅間神社へ水平な道を直進します。15分で浅間神社です。小さな祠のこの神社もやはり津波の避難所になっていました。15時20分に錦の町に降り立ちました。
そこからは錦漁港に面する自動車道もありますが、私は熊野街道として狭い漁港の風情ある道を歩いて駐車場に帰りました。15時40分頃です。出発して5時間35分でした。
帰りに42号線沿いにある大紀町の観光物産店でマグロの刺身とサザエを買って帰りました(笑)。
マグロも将来的には食べられなくなりそうですね。地球の人口が増えすぎですものね。
錦から紀伊長島へ
2011年の新桑から姫越山へ