八鬼山越え
2007年9月23日 翌年3月の尾鷲〜熊野
今日は熊野街道伊勢路のうち、尾鷲から熊野を一泊二日で歩こうと出かけました。
南紀1号で尾鷲に10時半に着き、尾鷲市街の熊野古道も歩いて八鬼山を越え、更に三木峠などを越えて賀田まで歩くのが1日目の予定です。
南紀1号は桑名を8時29分ですが、もう1時間早いと、その日の行動範囲が広がるのですが。
10時半に尾鷲到着では、市街の古道歩きが40分と見て、八鬼山の頂上は午後1時半か2時になる。せっかくだから眺めの良い桜の森広場で昼食を食べたいのですが2時では遅い。
そこでOさんと相談して車内で軽くエネルギーを補給して、2時まで持たせることにしました。Oさんは松阪で南紀に乗ってきます。Oさんはアキレス腱を痛めていて、それをかばいながらの参加で、少し心配です。
3分ほど遅れて列車は尾鷲に着き、身支度を整えて10時45分に歩き始めました。これまでは尾鷲市街の古道は歩かず、八鬼山の登山口近くの向井バス停から歩いていました。今回は市街の古道も歩くのが目的です。
駅前からまっすぐ伸びる商店街を東に進み、第三銀行の前で右折して古道に入ります。この辺りは街道の面影残す民家の建物があります。
中川橋を渡り、JRのガードを潜ると左手に熊野古道「やの浜道」の案内があります。
そこを左折すると後は案内に従って右折左折を繰り返しながら狭い古道を進みますが、案内が無いととても解らない道です。
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駅前商店街を東に進む |
街道に入ると面影が |
珍しい鐘楼もある |
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主婦の店近くの石碑 |
矢の浜道の案内 |
案内を左折する |
東邦石油のタンクを回り込みながら矢の川橋を渡ります。そのまま直進できると登山口は近いのですが、駄目なので左折して向井のバス停に向かいます。
尾鷲節の歌碑があるバス停到着は11時30分で、思ったより時間を食いました。バス停から右折して登山口に向かいます。10分で到着、ここで小休止しました。
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付近の民家にはこんな暖簾が |
狭くて趣のある古道 |
矢の浜公園から天狗倉山 |
ここからは前回の記録で充分なのですが、世界遺産に指定された後は初めての歩きです。世界遺産指定に反対する地元住民の落書きがどんなものかも興味あるところです(笑)。なので写真は下の前回記録もみてください。
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八鬼山登山口 近くにトイレもできていた |
緩やかな石畳の登り |
登山口からは緩やかな登りの石畳を登り、行き倒れの碑などを見ながら30分で籠立場に到着します。途中、噂に聞いていた世界遺産登録反対の地元民の抗議文が立ち木に書かれていますが、さして気になりません。
小休止の後出発しますが、この辺りから傾斜もきつくなります。林道との合流点を過ぎ、登りのハイライト七曲を登りきると一息つけます。この辺が一番苦しいところです。
桜茶屋跡の案内があり、そこで小休止、1時20分です。
桜茶屋跡から15分で九鬼峠、ここで熊野灘がちらっと見えます。さらに15分で水神さんも祀られている荒神堂。ここの水が一番美味しいです。
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地元住民の反対の意思表示 |
七曲で休憩のご夫婦 |
九鬼峠 |
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三宝荒神堂の水は一番美味い |
南奥駈の笠捨山 |
下りにも世界遺産反対 |
ここまで来れば最後の一登りで頂上で、三体の地蔵が祀られています。直進すると明治の道です。左折して、地蔵さんの上に三角点があります。ちらっと頂上を見て5分ほどで桜の広場です。ここからは熊野灘や周囲の東紀州の山々の眺望が見事です。真下には九鬼の集落が見えています。西の方には、大峰奥駈けの笠捨山の姿も見えています。
ここで昼食がてら20分ほど休憩しました。
江戸の道の降りも急坂が続きます。十五郎茶屋跡まで30分、明治の道との合流点まで更に15分です。ここで少し休憩しました。Oさんは足を庇いながらの降りでだいぶ堪えているようです。沢の水音は高いのですが、ここではまだ水は汲めません。
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明治の道との合流点 もう少し |
長柄の一里塚跡からの猪垣から振り返る |
最後にまた反対の意思表示 |
合流点からは見事な石畳を降っていく。エコトイレを過ぎ、長柄の一里塚跡までが30分、そこから猪垣沿いの平坦な道を20分で三木里の海岸に出る。長柄のバス停があります。午後4時でした。
前回の写真と重複するのは避けているので、下の記事も見てください。
ここで今日の行程が終わりなら楽なのですが、今回は賀田泊なのでまだ2時間半は歩かないといけません。
三木峠・羽後峠へ
2001年5月6日
今日は三交の熊野古道大遠足の第3弾ということで八鬼山越えに参加しました。
コースタイム
向井バス停10:45−駕籠立場11:25−七曲り登り口11:42−48
−九鬼峠12:23−八鬼山頂上12:45−さくらの森12:50−13:20
−十五郎茶屋跡13:50−明治の道合流点14:05−名柄一里塚14:23−30
−三木里海岸14:40
八鬼山越えは熊野古道伊勢路のなかでは最大の難所といわれ、道中には行き倒れの旅人の碑も残っている。昔は山賊やオオカミも出たという。
向井のバス停はJRの尾鷲駅からバスで10分もかからないと思うが、歩くと40分程度になる。
右の写真はバス停付近にある尾鷲節の石碑。
一駅熊野側の大曽根浦だと歩く距離は半分以下になると思う。今日はバスツアーなのでその心配はない。
東邦石油のガスタンクの側にバス停はある。そこから5分も歩くとログハウス風の立派なWCがあり、その少し先の左手に登り口がある。
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登り口を入るとすぐ石畳の道 |
最初の行き倒れの碑 |
石畳は大きくてしっかりしている |
登り始めてすぐ石畳の道になり、15分も歩くと、最初の行き倒れ旅人の碑がある。このコースには合計4ヶの碑があり、遠く長崎や関東の旅人の銘も刻まれているという。
この当たり右上に通い慣れた国道311号線を見ながら歩く。歩き始めて30分ほどで駕籠立場と呼ばれる茶屋跡につく。飲み水もあり一休みに良い。
このコースには町石と呼ばれる石仏が八鬼山山頂まで50町に50体あったらしい。今残っているのは35−6体とか。駕籠立場は15町目にあたるとか。ちなみに1町は109mである。
少し歩くと林道が横切っている。ここまではタクシーなら来れるので時間の無い方は節約できる。この当たりも山肌に岩が数多く露出している。石畳はこの石を使ったのだろうか。
出発からほぼ1時間で七曲がりの登り口に着く。これから急勾配の登りが15分ほど続くという。ここで一息入れる。ここにも行き倒れの碑がある。3番目らしい。
汗をかきながら急勾配を登り切り、道も平坦な尾根筋にでると展望が開けてくる。30分程で桜茶屋一里塚がある。
更に登ること10分で「蓮華石」、5分で九鬼峠につく。
九鬼の港へ下る道を横目に右手の道をとる。熊野灘が始めてみえる。
10分強で三宝荒神堂がある。防火の神様が祭られているという。近くには水の神様の八大竜王などがあり飲み水はおいしい。
一寸のどをうるおして、山頂へ向かう。あと10分の頑張りである。三木峠には最近東屋が作られていた。4年前には広場だけだった。
ここからは熊野灘の眺望が開けている。
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三体の石仏をみながら江戸道へ |
山頂は三体の石仏のすぐ上 |
桜の森エリアへの道 |
峠をまっすぐ越えると明治の道になり、左へ曲がると桜の森エリアを経て江戸の道にはいる。どちらをとっても途中で合流して三木里に通じる。前回は一人で明治の道を辿ったが、今回は江戸の道がコースになっている。
熊野灘の眺望が素晴らしいのは桜の森のエリアなので、江戸の道なら引き返す必要がない。八鬼山(627M)の頂上は三木峠のすぐ上なのでピークハンティングの人は踏んでくること。殆どの人は気づかず通り過ぎて行く。
峠から5分ほどで桜の森エリアである。スタートしてから2時間強、久しぶりに、しっかり汗を掻いた2時間でした。その報酬は素晴らしい熊野灘の眺めです。多少時間が過ぎても、お弁当はここで食べたい。広々とした芝生と東屋もある。
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九鬼の集落が見える。 |
桜の森エリア |
目的地の三木里海岸も |
30分ほど休憩して弁当を食べ、三木里へ向かいます。
道は変化も無く、ひたすらに下ります。途中檜の間伐材を使って階段や転落防護柵などが作られているため安心して歩けます。
30分で十五郎茶屋跡、更に15分で明治の道と合流します。どちらが早いのか、前回の記録がないのでわかりません。今は江戸の道がメインルートのようです。
合流地点から20分ほどで名柄の一理塚があり、飲み水・東屋・トイレがあります。
ここまで来れば三木里海岸まですぐなので、一息入れて、冷たい水を飲みます。桜の森エリアから1時間強です。
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名柄の一里塚 |
三木里海岸海水浴場 |
ここのトイレには木材のチップを使って水を浄化して循環利用しているとありました。
間伐材とか木材のチップとか、いろいろ工夫しているみたいですね。
ここから海岸までは10分弱、三木里の駅へは更に15−20分でしょうか。
三木里海岸は水のきれいな海水浴場で、海岸もしっかり整備され、公園のようになっています。
今回のコースは、少し余裕を持って歩くなら、登り2時間半、休憩1時間、下り2時間の計5時間〜5時間半でしょうか。汗びっしょりの一日でした。